栄華を極めた島田紳助の「引き際」

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 2004年、所属先の吉本興業の女性社員に暴行を加え怪我をさせた事件で、被害女性に損害賠償を求められていた島田紳助。かれこれ6年の歳月を経て、ようやく判決が出た。被害者の女性は紳助および吉本興業に合計約1億円の損害賠償などを求めていたが、東京地裁は21日、約1,000万円の支払いを命じた。

 事件は04年10月25日午後3時ごろ、大阪市の朝日放送内で起こった。紳助は、女性の発言に腹を立て、彼女の腕を引っ張り、控室に連れ込んだ。自身の手や彼女のリュックサックで女性の頭を殴ったほか、髪をつかむなどして頭を壁に打ち付け、さらにツバをはきかけるなどの暴行を加えたという。女性は大阪府警大淀署に診断書を提出し、紳助を傷害容疑で告訴。これを受けて、紳助は記者会見を開き、「100対0で僕が悪いです」、「被害者が芸能界を辞めろと言うならすぐに辞めます」と泣きじゃくった。しかし、暴力行為については「髪をつかんで座らせ、平手で一発」と述べるにとどまったため、被害女性側は前述の通り「平手一発どころではない暴行を受けた」と主張し激高。06年6月で吉本興業を退職の上、同年8月に紳助と吉本興業を相手取り、損害賠償を求める民事訴訟を起こしていた。

 結局、紳助と吉本興業は暴行に関する事実関係は争わず、損害額などが主な争点となった。つまり、事実上、女性側の主張する暴力行為を認めたということになる。

 判決を受け、紳助は吉本興業を通じ「判決を真摯に受け止め、被害者の方にあらためておわび申し上げたいと思います。誠に申し訳ございませんでした」とコメント。吉本興業も「同様の事件を再発させないよう引き続き防止策に努める」とコメントを出している。

 しかし、紳助は件の事件のみならず、『オールスター感謝祭』(TBS系)で若手芸人を恫喝したとされる事件、また番組スタッフへの恫喝行為は日常茶飯事とも言われる。

「プロ意識の高さゆえに他人を叱るとか、相手に成長してもらいたいから叱るとか、そういった類のものではなく、単純に自身のプライドを傷つけられたり、相手の態度が気に入らないという理由で激怒し大声でまくしたてるというのがパターンです。そういう気質と言ってしまえばそれまでですが。上から人をねじふせるような威圧感がなければ、ここまで人気者になって時代を築いたりもしなかったでしょう。まだ54歳と若いので、今後年を重ねるにつれて穏やかに丸くなってくれればいいんですけどね」(番組制作会社スタッフ)

 現在、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)、『紳助社長のプロデュース大作戦!』(TBS系)、『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)など関西ローカルを含めて7本ものレギュラー番組を抱える紳助。『ヘキサゴン』を通じてプロデュースしたおバカタレントたちが続々売れっ子になっていった一時期ほどの勢いはすでにないが、未だ陰りは見えない。ただ、この栄華もこれ以上長くは続かないと週刊誌デスクは言う。

「傷害事件や覚せい剤など、芸能人が事件を起こしても、すぐに風化して忘れ去られるのが世の常。SMAPの稲垣吾郎や、歌手の長渕剛、槇原敬之あたりがいい例です。ただ、ここ数年で急速に暴力行為に対する社会的嫌悪感は増してきているなと感じます。昔なら不問にされていたような体罰やDVが厳しく取り沙汰される社会になってきており、島田紳助の暴力的な側面をあらためて感じて嫌悪感を抱く視聴者も少なくないかもしれません」

 事件当時、紳助は謝罪会見後わずか2カ月の謹慎を経て、翌05年1月2日に司会を務める『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)の生放送にて復帰していた。だがそれは、事件後に加害者として傷害罪の疑いで書類送検され、略式起訴の後に大阪簡易裁判所において罰金30万円の略式命令が下されたことを経ての復帰である。刑事罰を受け、それにしかるべき対処をした後の復帰であるのだから、もはや断罪されるべきでないという意見も多いだろう。

 タレント稼業は所詮人気商売。現在7本のレギュラー番組に出演する紳助も、世間が「許さない」「出てほしくない」という態度を示すのであれば、あれよあれよという間にメディアから姿を消すだろう。そんな事態を見越してか、事件後の05年からは実業家として寿司店やしゃぶしゃぶ店、お好み焼き屋を経営するなど、着々と飲食店事業に進出している紳助。案外、還暦で潔く「定年引退しますわ」などということもありえるのかもしれない。世間にソッポを向かれて消えていくよりも、自ら引き際を見定めて身を引く方がよほど男前というものだろう。

 

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引退して何度も復活する人もいる

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