「足りましたか?」
「うん。お昼ご飯は、このくらいがちょうどいいよ」
「本当にショーイチさんって優しいんですね」
「え?」
「たくさん褒めてくれるし、たくさん優しくしてくれるし…。怒ることってあるんですか?」
「怒ること? うーん、どうだろう? 最近、怒ったことってあるかなぁ?」
「なんだかなさそうですね」
「あっ! あるよ! 街で歩きタバコしている馬鹿を見かけると、怒るのを通り越して殺意を感じてるんだ」
「そ、そうなんですか」
「俺が総理大臣だったら、そういう連中を死刑にしてもいいって法律を作り変えるんだけどなぁ」
「フフフ、ショーイチさんも怒ることがあるんですね」
「でも、そのくらいかなぁ。K子ちゃんは最近何かに怒ったことある?」
「えっ、私? そ、そうですねぇ…」
しばらく沈黙が続いた。旦那に対する日ごろの鬱憤が脳裏をよぎったのかもしれなかった。
そんなことを考えさせるのは、よろしくない。せっかくの楽しい時間なので、日常生活を思い起こさせるような会話は避けるべきだった。
「無理に言わなくていいよ」
「はい」
「はぁぁぁ、本当に美味しかった。ご馳走様」
「全部食べてもらえて嬉しい」
その後、シャワーを交代で浴び、歯磨きしてから再びベッドイン。
しかし、すぐに事を始めるのではなく、キスしながらおしゃべりすることになった。
「ショーイチさんって、いま何人セフレがいるんですか?」
「えっ? セフレの数?」
「知りたいです」
「じゃあ、約束通り正直に教えるね。えっとぉ、定期的に会ってるのは5人かな」
「どういう人たちなんですか?」
「3人が人妻さんで、残り2人は独身かな」
「それって、私以外にってことですよね」
「うん。K子ちゃんを入れたら全部で6人になるかな」
「す、すごい。よく身体が持ちますね」
「会う周期はバラバラなんだ。週1で会うコもいれば、月に1回だったり、数か月に1回だったり」
「じゃあ、私と毎週会うようになっても大丈夫?」
「もちろんだよ! たとえ他のコと約束が重なっても、K子ちゃんを優先するよ」
「う、嬉しい」
やきもちを焼かれるのではと心配したが、どうやら納得してくれたようだ。
「そういう女性たちと中出しもしてるんですか?」
「えっ? 中出し?」
「過去のショーイチさんの記事で、そういう女性もいたのを読んだので…」
「ああ、なるほどね。えっと、3人が中出しOKかな」
「そ、そんなに?」
「うん。ひとりはピルを飲んでいて、もうひとりは基礎体温を測っていて安全日だけ中出ししていて、最後のひとりは50歳を越えていて生理が終わってるコなんだ」
「う、羨ましい…」
「えっ、どうして?」
「私もゴムを使わないで、中に出してほしいです」
「K子ちゃんもピルを飲んでるの?」
「い、いいえ。飲んでません。基礎体温とかも測ったことないので…」
「それじゃあ、中出しはダメだよ。俺の精子なんて超元気がいいから、中に出したらすぐに妊娠しちゃうよ」
「ショーイチさんって、血液型はなんですか?」
「B型だけど」
「えっ、うちの人もBです! だから大丈夫ですよ」