そそくさとチンコを引き抜き、彼女に背中を向けて後処理を始める筆者。
すると、タカコちゃんが話しかけてきた。
「ショーイチさんってモテるでしょ?」
「え? そんなことあるワケないじゃん」
「えぇっ? 本当ですかぁ? 実は彼女さんとかいるんじゃないですか?」
「自慢じゃないけど、生まれてからただの一度も、好きになった人と付き合ったことないよ」
好きになった人と付き合ったことがないというのは、紛れもない事実だ。容姿も性格も悪く、食っていくだけで精一杯の収入しかないので、今後も好きな人と付き合うなんて真似はできそうにない。
「そうなんですか。でも、エッチがすごく上手なので、モテそうですけどね」
「そ、そんな。俺なんか全然上手じゃないよ」
「いいえ、上手でしたよ。一度のエッチで2回もイケたのは初めてでしたから」
「え? 2回もイッてたの?」
「はい。アソコを舐められてる時と、挿入の時に…」
「そうだったんだぁ。気持ち良くなってもらえて安心したよ」
百戦錬磨を自負する筆者だが、女性のイキ方の個人差にはいつも驚かされてしまう。すべての女性がAV作品の中の女優のように「イクぅ!」とはっきり表現してくれるワケではない。むしろ、こちらが気付かないうちにイッているケースのほうが多いのだ。
それにしても、筆者の知らない間に2度もイッていたとは…。もしかしたら、タカコちゃんと筆者のセックスの相性はかなり良いのかもしれない。
だが、何を言われようと、どれだけ褒められようとも、筆者は賢者タイムの真っ只中。早くお家に帰りたいとそればかり考えていた。
「あ、あのぉ」
「ん?」
「もし良かったら、また遊んでもらえますか?」
いくら賢者タイムとはいえ、女性にここまで言われたら、笑顔を取り繕って応じるしかない。
「もちろんだよ」
「え? 本当ですか? すごく嬉しいです♪」
こうして連絡先を交換し、再会を約束した。その後、駅付近まで彼女を見送っていき、この日のデートは終了となった。
こちらから連絡する気はさらさらないが、タカコちゃんから誘われたらきっと応じてしまうだろう。それに、2度目のデートともなれば、パイズリのおねだりだって自然にできるはずだ。
そして、利用するラブホも今回と同じような激安のところにするつもりなので、コストパフォーマンスはかなり高くなるだろうなぁ。
(文=所沢ショーイチ)