いつも使用しているラブホテルよりかなりグレードの低いところにチェックイン。部屋でふたりっきりになってから、エッチな質問をぶつけてみることにした。
「カノコちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」
「え?」
「ほら、ここまで来て遠慮するのはもったいないよ。正直に教えてほしいな」
「し、ショーイチさんはどうなんですか?」
「えっ、俺? 俺は女性が喜んでくれるなら、どんなエッチでも大好きだよ」
「わ、私はまだそういうの分からなくて…。ゴメンなさい」
「謝らなくていいよ。それじゃあ、優しいエッチってことでいいかな?」
「はい。それでお願いします」
やはりというか当然というか、カノコちゃんは男性経験がかなり少ないようだ。いつもならここでもう少し突っ込んでみるところだが、今回は止めておいたほうが無難な気がした。
下手に過去の男性経験を質問しようものなら、嫌なことを思い出させてしまう結果になりかねない。
それに、長時間しゃべっていたら、優しいフリをしている筆者のボロが出てしまうかもしれない。ここはさっさとやることだけやって、あまり深入りしないほうが良さそうだ。
「じゃ、先にシャワー浴びておいで」
カノコちゃんにそう言い、筆者は灰皿を持って窓際に移動し、シャワーの音を聞きながら一服。
この待ち時間は、いつももどかしさを感じてしまう。さっさとシャワー室から出てこい、早くマンコを舐めさせろ…と悶々としてしまうからだ。
だが今回は、そんな焦燥感に駆られることは一切なかった。頼もしいパートナーである愚息も沈黙を保ったままで、新宿アルタ前で合流してからただの一度もチンピクしてなかった。
タバコを1本吸い終え、2本目に火を点けるかどうか思案していると、カノコちゃんが浴室から出てきた。
細身の体型にバスタオルだけを巻いた姿は、後ろ姿だけなら、セクシーに見えなくもなかった。
よっしゃ、今日は“後背位”一辺倒だな…。
入れ代わりでシャワーを浴びながら、そう決めたのだった