ホテル街に向かいながら、おしゃべりを継続。
「ねぇ、K子ちゃん。いろいろ溜まってるって、どういうことなの?」
「じつは、最近全然エッチしてないんです」
「そんなに綺麗で可愛くてセクシーなのに?」
「フフフ、一度にそんなに褒めないでください。照れます」
「ゴメン。でも、信じられないなぁ。彼氏とかいないの?」
「いることはいるんですけど…」
メールのやり取りでは聞き出せなかったが、まさか彼氏がいたとは。
「俺が彼氏だったら、毎晩のように求めちゃうと思うんだけどなぁ」
「それが、遠距離恋愛中なんです」
「なるほどね。それじゃあ、滅多に会えないんだ?」
「向こうはアメリカなので…」
「それは確かに遠距離だねぇ。国内と違って、気軽にってわけにもいかないし」
「最後に会ったのは今年のお正月で…」
「それじゃあ、4カ月近くもエッチしていないの?」
「そうなんです」
「それで俺に連絡してきたんだ?」
「そうですね。テレビで見てビックリして…」
「あの番組はいつも見てるの?」
「いいえ。本当に偶然で、テレビをつけた時、所沢ショーイチって見覚えのある名前で紹介されていて…。それがあのトコショーさんだと分かって、これも何かの縁かなと思ったんです」
「でも、あの番組の俺って、サングラスとマスク姿だったでしょ? 怪しいと思わなかったの?」
「声の感じとか、しゃべり方とかで優しそうな人だって伝わりましたよ」
「え? ヤラシイじゃなくて優しい?」
「はい。それで連絡する気になったんです」
「そうなんだぁ。嬉しいなぁ」
「それに、ショーイチさんなら絶対に安全そうなので」
「えっ? 安全そう?」
「はい。彼にバレるのが怖いので、身近な人とそういう関係にもなれないし、見ず知らずの人とするのも嫌なので…」
「なるほどね。確かにそうだね。俺なら100パー安心して遊べるものね」
「はい。それに、ショーイチさんのテクニックにも興味がありますし…」
「テクニック? それは誤解だよ。俺はテクニシャンでもなんでもないんだから」
「でも、記事の中の女性はすごく気持ち良さそうじゃないですか?」
「あれは、テクニックじゃなくて、俺が一生懸命なだけだよ。だから、あんまりテクニックに期待しないでね」
「そうなんですか…」
「でも、K子ちゃんが相手なら、いつもの3倍以上は一生懸命になると思うよ」
「えっ、どういうことですか?」
「俺も男だからさ、可愛いコが相手だと、いつも以上に張り切っちゃうんだよ」
「フフフ、ありがとうございます。本当にさりげなく会話の中で褒めてくるんですね」
「え?」
「この短い時間で、こんなにたくさん褒めてもらったのは初めてですよ」
「褒めてなんかいないって。思ったことをそのまま口にしてるだけなんだから」
「あっ! そのセリフも記事で読んだことあります」
「そ、そうだっけ? でも、本当だよ。お世辞を言ったり、嘘をつくことができない性格なんだ」
「はい。ありがとうございます。想像通りの人で、本当に嬉しいです」