こんな感じのファーストメールを送信したところ、10分ほどで返信が届いた。
今回のように、遊べる時間が限られているコに“今すぐの待ち合わせ”が可能だとアピールするのは、かなり有効だ。都合の良さそうな相手と思ってもらえれば、やれたも同然なのだ。
こうしてあっさり約束が成立し、歌舞伎町のドン・キホーテの前で待ち合わせすることになった。
約束の5分前に到着し、キョロキョロと辺りを見回しながら待っていると、時間ぴったりにカノンちゃんらしき女性を発見した。
わずかに茶色がかった髪色、そして、ちょっと時代遅れに思える黒縁メガネを着用していたカノンちゃん。今時のコなのか古臭いのか、どちらとも判別できないようなタイプだ。
体型のほうはスレンダーで、オッパイの大きさには期待できなさそう。ゆっくり彼女に近づいていくうちに、顔の造作がはっきりしてきた。
ウホッ、エロそうな女だなぁ
あえて例えるのなら、元防衛大臣の稲田朋美を若くして可愛くした感じといったところか。一見真面目そうにも見えるが、ベッドの上でのギャップが激しいタイプかも?
あれこれと妄想を膨らませてしまったが、このまま下卑た顔を見せるわけにはいかない。奥歯をギュっと噛みしめ、気を引き締めてから話しかけた。
「こんにちは、カノンちゃんかな?」
「あっ、はい。そうです」
「さっき【ワクワクメール】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「こちらこそ、お願いします♪」
こちらが話しかけた途端、満面の笑みで応じてくれたカノンちゃん。人懐っこい性格なのだろうか?
生まれてからずっと非モテ街道まっしぐらの筆者は、女性に笑顔を見せられるとそれだけでメロメロになってしまう。
「じゃあ、立ち話もなんだから、歩きながら話そうか?」
「はい」
「18時からバイトなんだよね? 何時頃に新宿を出れば大丈夫なの?」
「場所は渋谷なので、17時30分ころに駅に着ければ大丈夫だと思います」
「了解! じゃあ、時間に遅れないよう気を付けるね」
「フフ、ありがとうございます」
「ちなみに、何のバイトしてるの?」
「そ、それは…」
「あっ、ゴメン! 初対面でそれは言いにくいよね」
「は、はい」
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