こんなファーストメールを送信したところ、数分もしないうちに返信が届いた。きっと手ぐすね引いて男性からの誘いを待っていたのだろう。
そこから数通ほどメールをやりとりし、あっさりとデートの約束は成立した。
待ち合わせ場所は、池袋駅北口の階段を登りきったところ。以前は公衆電話がズラッと並んでいて、待ち合わせ場所として定番だったところだ。今もちょっとした空間が残っているため、待ち合わせ場所として使用されている。
そこで待つこと数分、約束の時間より少し遅れて、クミちゃんらしき女性が現れた。
ぐぬぬっ
奥歯で正露丸を噛んでしまったような顔になる筆者。彼女の顔は、女優の久保田磨希をほんの少しだけ小綺麗にした感じで、お世辞にも色っぽいとは言えなかった。街で見かけても絶対に素通りするタイプだ。
しかしこの時の筆者は、大雪の影響でセフレとの約束が飛び、丸二日も射精してない野獣モード。脳みそではなくキンタマでしか思考できなかった。
まぁ、デブじゃないし、チンコさえついてなけりゃいいんじゃね?
ずっしりと重くなったキンタマがそう決断した。こうして、本能の命じるがままクミちゃんに近づいていくことに。
「あっ! ショーイチさん?」
筆者が近づくと、クミちゃんの方から声をかけてきた。
「う、うん」
「良かったぁ。優しそうな人で」
「う、うん」
「それじゃ、行きましょうか?」
「そ、そうだね」
勢いよく話しかけてきたクミちゃんは、筆者を先導する形でホテル街に向かって歩き始める。もしかしたら、相当遊び慣れているのかもしれない。そこで、軽く探ってみることにした。
「この辺はよく来るの?」
「え?」
「なんか詳しいみたいだからさ」
「そうでもないですよ」
「そうなんだ」
「ショーイチさんこそ、こういう遊びはよくするんですか?」
「そうだなぁ、月に1、2回くらいかな」
「へぇ、結構遊んでるんですね。意外です」
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