待ち合わせ場所は、池袋駅地下構内にある“いけふくろう”前。約束の時間10分前に到着した筆者は、当日の服装をメールで彼女に伝えることにした。
すると、彼女が参加していた研修が長引いてしまい、10分ほど遅れるとの返信が届いた。
まっ、この程度の変更は屁でもない。一度地上に出て、喫煙所でゆっくり2本ほどタバコを吸ってから、いけふくろうの真正面でスタンバイする。
キョロキョロと周囲に目配せしながら待つこと数分。ついにR子ちゃんが現れた。
R子ちゃんは写メのまんまだった。清楚で清潔感に溢れていて、まさに医療従事者といった印象だ。
ツカツカと彼女に近づき、声をかけることにした。
「こんばんは、R子ちゃん」
「遅れてゴメンなさい」
「全然問題ないよ。走ってきたりしてないよね」
「はい。ちょっと迷っちゃったので、少し焦りましたけど…」
「俺でも“いけふくろう”に来るのに迷って遠回りしちゃうこともあるからさ」
「そうなんですか」
「うん。じゃ、改めて聞くけど、俺みたいなので大丈夫?」
「え?」
「ほら、送った写メよりめちゃくちゃエロそうでしょ、俺って」
「そんなことないです。むしろ写メより優しそうなので安心しました」
「そうかな? じゃ、とりあえず歩こうか?」
こうして、池袋北口に向かって歩き始めることに。
「やっぱり緊張してる?」
「は、はい」
「そりゃそうだよね。土壇場で中止することになっても怒らないから、安心してね」
「だ、大丈夫です。そんなことしませんから」
「ほら、そうやって決め込まないで。思い込んでると、せっかくの気持ちいいことも楽しめないよ」
「は、はい」
「とにかく、痛いことも嫌なこともしないから、そこだけは信じてね」
「もちろんです」
駅から出て、ラブホテル街までの最短距離を歩く。このルートで行くと道中にコンビニはないので、途中の自動販売機で飲み物を購入することにした。
その際、自分の分のお金を取りだそうとしたR子ちゃん。デートの際は奢ってもらうのが当然だと考える女性が多い中、彼女の態度はとても珍しく思えた。
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