「全然大丈夫ですよ。優しそうなので安心しました」
「う、うん。メールにも書いた通り、優しいのだけが取り柄だからね」
「フフ、それが一番ですよぉ」
「…」
思わず、数瞬ほど黙りこむことになってしまった。ヨウコちゃんのほうから、「ショーイチさんこそ、私で大丈夫ですか?」と言ってくるのを待っていたのだ。
もちろん、NOと言えない典型的な日本人である筆者は、そんなことを言われても断るつもりはさらさらないわけだが…。
まっ、仕方あるまい。こういうハズレくじも相手にするからこそ、アタリを引いた時の喜びが大きくなるのだから。
「じゃ、さっそくだけど行こうか?」
「はぁい」
こちらの迷いなどおかまいなしに、明るく返事するヨウコちゃんなのだった。
ホテル街に向かって歩き始めることになり、いつもならココで相手を褒めちぎり、場を温めるところだが…。
どうしても褒める言葉が見つからない!!
背の高さを考えれば、「モデルみたいだね」と褒めるのが常套手段だろう。しかし、異様なまでに大きな頭部がネックになり、言葉にすることを躊躇う。
そうこうするうちにホテルに到着。歌舞伎町界隈で一二を争う格安ラブホだ。
入室するや窓際に行き、10数センチほどしか開かない窓を開ける。
「じゃ、俺は一服してるから、先にシャワー浴びておいで」
「あっ、その前に、私もタバコ吸っていいですか?」
「ああ、もちろんだよ」
窓際に持っていった灰皿を元の位置に戻し、ふたりで一服する。
盛り上げることを断念していた筆者だが、沈黙に耐えられず、しゃべりかけることにした。
「ヨウコちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」
「えっと、サイトにも書いたようにラブラブな感じですかね」
「他には何かない?」
「え?」
「いや、俺って、女性に喜んでもらうのが大好きなんだ。だから、何かリクエストがあったら遠慮なく教えてほしいな」
「うーん、だったら、たくさんペロペロしてほしいです」
「了解。それなら大得意だよ」
「フフ、楽しみです」
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