「月に1、2回くらいだよ」
「へぇ、そうなんですかぁ」
「ホナミちゃんのほうこそ、どうなの?」
「私ですか? 今日で2回目です。でも、前回は会ってスグにゴメンなさいしちゃったので…」
「ふーん、そうなんだぁ。じゃあ、あのサイトでエッチするのは俺が最初ってことかな?」
「えっ?」
「あっ、ゴメンゴメン。ちょっと声が大きかったね。ここで立ち話もなんだから、歩こうか?」
「はぁい」
こうしてラブホ街に向かって歩き始めることに。その道中も、少しでも打ち解けられるようおしゃべりを続ける。
「前に会ってすぐにゴメンなさいした人って、どんな男だったの?」
「それが、茶髪で鼻ピアスしてたんですよ」
「それはチャラそうだね。タトゥーなんかもしてたんじゃない?」
「それは分からなかったですけど、そういう人って怖いじゃないですか?」
「うん、うん。分かるなぁ」
「口調はすごく優しかったんですけど、裏がありそうだったのでゴメンなさいしたんです」
「大丈夫だった。その場でゴネられたりしなかった?」
「はい。その時はアルタ前での待ち合わせで、人通りも多かったですから」
「それは良かったね。俺が言うのも変だけど、こういう遊びは気をつけないとダメだからね」
「はい」
「でも、どうする? 俺の背中にも刺青があったりしたら?」
「えー。それはなさそうですよぉ」
「タトゥーなんてしてないけど、男は見た目じゃ分からないよ」
「そ、そうなんですか」
「あっ! でも安心して、俺は女性の嫌がることは死んでもできないからさ」
「し、死んでもですかぁ」
「うん。もしホナミちゃんの嫌がることしたら、その場で自殺するからね」
「それは困りますよぉ」
「そうだね。迷惑かけちゃうね」
「フフフ、やっぱり慣れてそうですね」
「え?」
「こうやって女性を安心させるのも上手ですよ」
「そ、そうかな。ちょっとおしゃべりすぎちゃったかな?」
「そんなことないです。安心できそうなので、とても嬉しいです」
「了解! その期待は死んでも裏切らないからね」
「だから、死なないでくださいよぉ」
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