ハキハキとしたもの言いのマリナちゃん。これなら、下手に気を使うことなくコチラも安心して楽しめそうだ。
こうして、世間話をしながらラブホ街に向かって歩き始める。
「マリナちゃんは、あの【ワクワクメール】をよく使ってるのかな?」
「そうでもないですよ。半年ぶりくらいですかね」
「そ、そうなんだ。じゃあ、今日はまたどうして?」
「じ、実は、定期的に会っていたセフレと別れちゃって…」
「う、うん」
「それで、久しぶりにサイトを使ったんです」
「なるほどね。そういう事情だったんだ」
「はい。前のセフレともこのサイトで出会ったので…」
「どうして別れちゃったの? あ! ゴメン。言いたくなかったら言わなくていいけど…」
「あ、別に気にしてないので平気です。その人に若い彼女さんができたみたいで…」
「そうなんだぁ」
「でも、最近その人とのエッチはマンネリというかワンパターンだったんで、ちょうどよかったかもです」
「じゃあ、俺はそのセフレの彼に感謝しなきゃだね」
「え?」
「だって別れてくれたからこそ、こうやってマリナちゃんみたいに可愛いコと出会えたんだからさ」
「な、なに言ってるんですか?」
「いや、本気でそう思ってるよ」
「もう、本当にクチが上手いですねぇ」
「上手くなんかないよ。俺ってば、思ったことを後先考えずにクチに出しちゃうだけだからさ」
「フフフ、もう♪」
筆者のような顔面偏差値の低いアラフィフの独身男が、面と向かって女性に「可愛いよ」なんて言ったらドン引きものである。
だからこそ、筆者は会話の流れの中でサラっと相手を褒めるように心がけているのだ。
これは計算でもなんでもない。長年の出会える系サイト遊びでこの身に染み付いた習性なのである。
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