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こんにちは、マリナさん。
都内の会社員、ショーイチ・36歳です。
私も今日の夜はずっとヒマしている予定です。
ですので、18時過ぎなら何時であっても待ち合わせ可能です。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、
ぜひマリナさんと楽しい時間を過ごしたいです!!
お返事いただけたら、私の写メを送信するので、
それを見てもらってから返事を決めてもらって構いませんので!!
以上、ご検討のほどヨロシクです!
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こんなファーストメールを送信したところ、5分ほどで返信が届いた。そこからメールのやり取りを重ね、その日の19時に新宿アルタ前で待ち合わせすることになった。
待ち合わせ場所に10分以上も早く到着した筆者は、いつもの儀式を開始。道行く不細工ちゃんやおデブちゃんを網膜に焼きつけ、彼女らとエッチする姿を事細かく妄想する。
吐き気が止まらなくなる苦行なのだが、出会える系サイトで遊ぶ際には必須のイメトレなのである。こうやって脳内のハードルを下げておくと、アラ不思議、待ち合わせ場所に現れた女性が、実際のレベルより遥かに可愛く見えてしまうのだ。
そんなイメトレの最中に、あらかじめメールで聞いていた通りの服装の女性を発見! そう、今回のお相手マリナちゃんである。
スレンダー体型で、髪は少々茶色がかった感じ。そして顔は、歌手の大黒摩季を少し地味にした具合だった。
ヨッシャ! これならイメトレしてなくても余裕だぜ、ベイベー!!
人並み以上のルックスのマリナちゃんを一目見て、まずはホッと一息。頬の筋肉が緩んでしまうと、より一層己の顔が醜く見えてしまうことを熟知している筆者は、奥歯を噛みしめながら彼女に近づき、声をかけたのだった。
「こんばんは、マリナちゃんだよね?」
「あ、はい。ショーイチさん?」
「うん。さっき【ワクワクメール】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
「あれ? あんまり緊張してなさそうだね」
「え? そ、そうですか?」
「うん。いつもそんな感じなの?」
「そんなことないですよ。怖そうな人だったり、ヤバそうな人だったら逃げるつもりでしたから」
「ん? だったら今から逃げてもいいんだよ?」
「そんなことしませんよぉ。ショーイチさん、写メのまんまですし…」
「ま、まぁね。あの写メはなんの加工もしてないから、そのまんまでしょ?」
「はい。安心しました♪」
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