「お待たせ、まどかチャン」
「は、初めまして」
「写メで見たより全然可愛いから、人違いかと思ったよ」
「そ、そんなことないです」
「で、どうだろ? 実際の俺はこんな感じだけど大丈夫かな?」
「え?」
「このまま帰ってもらっても構わないし、お茶するだけでもいいからね?」
「ぜ、全然平気です。もらった写メ通りですし…」
「ありがとう。それじゃ早速行こうか?」
「あ、あのぉ。ひとつお願いがあるんですけど…」
「ん? なんでも言ってごらん?」
「コ、コンビニでゴムを買ってもらっていいですか?」
コンビニでゴムを買ってほしいとは、ずいぶんヘンテコなお願いだ。ラブホテルにはコンドームが用意されているのが当たり前だし、筆者は念のためいつもコンドームを持ち歩いているのだが…。
「別にいいけど、どうしてかな?」
「ああいう所のゴムって危険だって聞いていたので…」
「ああ! こっそり穴が開けられたりしているとか?」
「は、はい。それで、新品のゴムでお願いしたいです」
「了解! じゃあ飲み物を買うついでにゴムを買うから安心してね」
「あ、ありがとうございます」
こうして、少し遠回りしてコンビニに立ち寄ってからラブホテルにチェックインした。
部屋に入り喉を潤しながら会話を始めてみると、まどかチャンは異性が苦手だと言っていたわりにはなかなか饒舌だった。
「全然普通にしゃべってるよね俺達。男性は苦手なんじゃなかったっけ?」
「あ! そういえばそうでした。なんだか安心しておしゃべりしちゃってました」
「それは嬉しいなぁ。じゃあ俺には苦手意識を感じないで済みそうだね」
「はい。記事やメールで優しそうだというのは分かってましたけど、実際に会うともっと優しいので嬉しいです」
「まどかチャン、それは違うよ。今俺が優しいのは、そうしないとエッチできないと思っているから演じてるだけだよ」
「えぇっ! そうなんですか?」
「うん。男ってのは可愛いコが目の前にいると、誰でも優しそうに演じる生き物なんだから」
「で、でも、今までこんなに優しそうに接してくれる人はいなかったですから」
「それは、まどかチャンの周囲の野郎どもが馬鹿だったんじゃない? もし俺の周囲にまどかチャンみたいなコがいたら、お姫様扱いして超優しくしてたと思うよ」
「お、お姫様って。で、でもありがとうございます」
本当は今すぐにでも彼女を押し倒し、シャワー前のマンコに顔を埋めたいところだ。しかし、セックスの経験の少ないまどかチャンに対しては、最後の最後まで紳士を演じきるのが礼儀というものだろう。
なにせ2年近くもエッチしていないというまどかチャンは、処女みたいなもんである。だからこそ、こちらが焦っているのを見透かされるようなミスは犯せない。
「じゃ、そろそろシャワー浴びておいで」
おしゃべりを開始して30分近く経ったあたりで、そう促した。
その後、筆者もシャワーを浴び、ついにベッドインタイムの到来だ。