こんなメールを送信したのである。相変わらず嘘八百の内容だが、誰かを不幸にする嘘ではないので、一人でも多くの女性を救うためなら許されるハズだ。
5分ほどするとクミちゃんから返信が届き、アッサリと約束が成立したのであった。
待ち合わせ場所に先着した筆者。いつものように道行く不細工チャンやおでぶチャンを脳裏に焼き付けている作業に没頭していると、視界の隅にイイ女を捉えてしまった。
おっと、いけない、いけない。
待ち合わせ前にイイ女を目にするのは非常に危険だ。約束した相手が不細工チャンやおでぶチャンだった場合、そのギャップで泣きたくなってしまうからだ。
しかし、目を逸らそうとした瞬間、違和感を覚えた。
アレっ? あの格好は、クミちゃんがメールで伝えてきたまんまじゃないか?
改めてその女性を凝視していると、目と目があってしまった。すると、その女性はニコっと微笑んでから筆者に向かって真っすぐ歩いてくるではないか!
おいおいおい、マジかよ!
筆者にドンピシャの好みの顔したその女性。顔は、最近テレビのCMで筆者が気になっていた仲西さほみ系の美女だ。ショートカットなのに全然ボーイッシュじゃないのは、大人の女の色気が勝っているからだろう。
ピチっとしたジーパンをはいているが、長くて細い脚によく似合っている。全体的にスレンダーな印象だが、胸のふくらみはそれなりにあり女性らしさもしっかりと兼ね備えている。
その女性が筆者の前に立ち、ニコっと恥ずかしそうに微笑みかけてきた。
「も、もしかして、クミちゃん?」
「はい。ショーイチさんですよね?」
「う、うん。俺、ショーイチ」
「フフフ、クミです。今日はよろしくお願いしますね」
「あ、は、はい。よろしくお願い、し、します」
純情成年を装うため、あえてドモった演技をすることがある筆者。しかし、この時ばかりはマジでドモってしまった。
こちらをまっすぐに見つめてくるその瞳に吸い込まれそうになったからだ。
このままではヤバい。なんとかしてコチラのペースを取り戻さねば!