今すぐヤリたい、今すぐヤリたい、今すぐヤリたい、今すぐヤリたい!!
絶対ヤリたい、毎日ヤリたい、セフレにしたい、彼女にしたい、中出ししたい、俺の子を孕んでほしい、結婚したい!!
刹那の間に、さまざまな思考が筆者の脳内を駆け巡ったのである。ジワーっと脳内麻薬が分泌され、多幸感に酔いしれてしまう筆者。
だがいつまでも妄想に浸っているわけにもいかない。意を決してノゾミちゃんとの距離を詰め、語りかけたのである。
「こんばんは、ノゾミちゃんだよね?」
「あ、はい。そうです。ショーイチさんですか?」
「うん! さっき【ワクワクメール】でやりとりしてたショーイチだよ。今日はよろしくね」
「はい。こちらこそよろしくお願いしますね」
筆者の顔を正面から見つめてくるノゾミちゃん。その笑顔は、筆者のような穢れた人間には眩し過ぎるほどだ。
「なんかすっごくご機嫌そうだね」
「え? そうですか?」
「うん。だってニコニコしてるからさ」
「メールの印象通りショーイチさんが優しそうだからかもしれませんね」
「な、な、しょ、そーなの?」
「はい。すっごく優しそうに見えますよ」
どうにも調子が狂ってしまった。いつもなら筆者が相手を持ち上げるところなのだが、この時はノゾミちゃんに先手を取られてしまった格好だ。
褒められ慣れていない筆者はタジタジになりながらも、なんとか反撃の糸口を探す。
「ね、ノゾミちゃんってもしかして役者さんか何かなのかな?」
「え? 違いますけど、どうしてですか?」
「だってこんな可愛いコが来るなんてあり得ないよ。ドッキリか何かなのかな?」
「フフ、ヤダぁ。なに言ってるんですかぁ。そんなワケないですよぉ」
「ホントに? だってそこいらのアイドルやモデルさんなんかより全然可愛いからさぁ」
「もう! そんなことないですぅ」
はぁ、楽しいなぁ。ラブホでイチャつくのも大好きだが、衆人環視の中でこうやっておしゃべりするのも本当に楽しいものである。
周囲の人から見れば、なんで不細工なオッサンがこんな可愛いコと仲良く会話してるんだと疑問に思うことだろう。それが分かるからこそ、優越感でいっぱいになってしまうのだ。
このまま腕でも組んで歌舞伎町を練り歩いたら、さぞかし気持ちいいに違いないだろう。だが、そんなことは我が愚息が許してくれない。ギンギンに固くなった愚息の先っぽから溢れる汁が、ズボンにまでシミを作ってしまいそうだ。
「じゃ、じゃあ早速だけど、ホテルに行こうか?」
「はい」
そう促してホテル街に向かって歩き出す。その次の瞬間。筆者の半歩後ろを歩いていたノゾミちゃんが、ツツっと筆者に近づいてきてコチラの手を握ってきたではないか!
「わっ、ショーイチさんの手、冷たいんですね」
「う、うん。の、ノゾミちゃんの手は温かいんだね」
「私は普通ですよぉ。ショーイチさんのが冷た過ぎるんですよぉ」
「そ、そうかな?」
女性と手をつないで歩くだなんて、いつ以来だろう? ドギマギしながら歌舞伎町を横断し、途中でコンビニに寄ってから無事にホテルに着いたのであった。