【世界風俗探訪・スペイン】情熱の国で冷静にならざるを得ない事件に…


 先輩から聞いた「情熱的」な面を探してみたが、冷淡さだけが突き刺さる感じがした。それでも、ゴム付きながらフェラは深くまでしゃぶってくれ、カリ部分を執拗に舐めたりと、なかなかのテクニックではあった。このあたりは、さすがにプロだ。

 合体は、彼女が上になって「有無を言わさず!」という感じで、情熱的というよりも単調に激しく腰を動かしてきた。天使にしては意地悪な腰づかいだ。お世辞にも気持ちが良いものではなかった。

 これで2万円…。コトを終えた後、彼女は「グラシャス(ありがとう)」と、最後の最後に微笑んでくれた。そして、丁寧に部屋を出て建物の外まで見送ってくれた。この気遣いをプレイ中に出してほしかった…などと思っているところに、恰幅のいい男が現れて何かまくしたててきた。あまりにも早い口調で、何を言っているのか理解できない。

 するとアンヘラが、「ヒアー、ニア・ザ・スクール、ペナルティエリア」と通訳してくれた。マドリードで売春は違法ではないが、近くに学校などの施設がある地域はNG。ということで、罰金を払えというのだ。これはよくある条例なのだが、それならば、なぜここでアンヘラは営業していたのか…。もちろん、その時はそういった疑問を抱く余裕と冷静さはなく、頭の中にあったのは「捕まったらマズイ」ということだけだった。

 結局、素直に100ユーロを払い釈放してもらった。この男とアンヘラ(売春宿も?)はグルだったのではないか? ホテルに戻りそう思ったが、後の祭りでしかない。「勉強させてもらった」と強がることで精いっぱいだった。

 調べてみると、当時のマドリードではよくあったことで、今でもその手の被害は後を絶たないそうだ。スペインにかぎらず、情熱的になる前に、一度冷静になるべきだなと思うのだった。
(文=美田三太)

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