「真っ黒なあわび。でも、そこに僕は味わい深い卑猥なエロスを感じます」ヘンリー塚本が語る“熟女”の魅力とは?


 40代50代、ましてや60代の閉経を迎えた女性のセックスというのは、20代や30代のそれとはまったく異なるものです。男には、好きな女の性器の中に、性液を吐き出す悦びがある。そして、女にも、とろっとした性液を自分の子宮の中に取り込む快感があります。妊娠をしたい・したくないというリスクから解放されることで、女性はセックスの快楽のみを追求できるようになる。熟女というのはそうした、女からメスへの新たな扉が開かれた存在なのです。

 そんなめくるめく官能の世界が、今回のこの『あ~いぐぅ!』というタイトルに込められています。スキモノ女が50代60代になると、はた目も気にせず「いぐ~いぐ~」としわがれ声を上げるようになります。きれいな「いくぅ~」ではなく「いぐぅ~」。濁点なんです。見ていて、「ああ、本当に気持ちがいいんだな」と思える。そういうところに、見る者は感動を覚えるのです。実際、30代、40代、50代と熟女作品をリリースすると、一番売れるのは50代の作品。それくらい、熟女といわれる女性たちがAVファンには魅力的に映っているということなのでしょう。

 若い男性にも、熟女好きが増えていると聞きます。それはきっと、若い女性にはないものを求めているから。素っ裸で抱き合ったときのしっとり柔らかい感触。まさに抱いた、抱かれているというリアルな感覚。要するに、母です。年を取れば取るほど男は、理屈ではなく、母のふくよかさ、柔らかさを求めます。いまの若い女性はわがままで身勝手です。コンプレックスを抱えた現代の男性は、年上の女性の、包み込むような優しさに惹かれていくんだと思います。

 しかし、我々の時代の50代といまの50代、そして10年後の50代ではまるっきり違っているんだろうなとも思う。情報が氾濫した現代とそれ以前とでは、経験できるものがまったく違いますから。もちろんいまの50代のほうが若々しくて綺麗でしょう。でも、ひとたび抱く・抱かれるという関係になれば、昔の50代のほうにこそ、女性らしい自然の美しさがあったように思います。僕が描きたい熟女には、やはり“昭和”の要素が色濃くあるんだと思います。

 みなさん、短い間でしたが、どうもありがとうございました。それではまたどこかで!
(構成=森野広明) 
 

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『ヘンリー塚本 熟女 40~50代たちが狂う あ~いぐぅ!』

FAプロ30周年記念作品第6弾は、熟女たちが狂いのたうち叫ぶオルガスムスの痴態狂態! 指名手配のドラ息子を持つ母54才、夜の逢い引きは青姦の淑女38才、いつも欲求不満の社長夫人40才、アトリエの熟女モデル41才などなど、12人の熟女たちの悶絶絶頂快楽の祭典。 
 
 
監督:ヘンリー塚本 発売日:2016年2月13日 収録時間:100分 メーカー:FAプロ


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ヘンリー塚本(へんりー・つかもと)
昭和18(1943)年、東京都亀戸生まれ。昭和60(1985)年にAVメーカー・FAプロを設立。社長兼監督として、72歳になる現在も精力的に活動を続ける。貧しさのなか懸命に生きた昭和の郷愁を誘うその作風は、中高年AVユーザーの熱烈な支持を集めている。


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