ある泡姫の願い…新成人にソープランドに来て欲しい


 たしかに、ひと昔前は「大人になったことだし…」と、成人の日にソープランドを初体験する新成人が少なくなかった。筆者も成人の日の式典後、同級生との飲み会をさっさと済ませ、有志で風俗店に行った思い出がある。住んでいた地域の都合上、残念ながら吉原のソープランドではなかったが、その店の待合室には慣れないスーツ姿の“同士”がいたものだ。

「そうでしょ? だから、私が吉原に来てスグの1月って、店を開ける3日から成人の日の15日まで、めちゃくちゃ忙しかったもの。ピークは間違いなく、成人の日だったわ」

 当時を懐かしむ有希子さんによると、変化が現れたのは2000年にハッピーマンデー制度が導入されたころだという。

 まさか“1月15日”という定まった日ではなくなったことから、うやむやになったわけでもあるまい。それでも、年々少なくなってきているそうだ。男の草食化が関係しているのだろうか…。

 ちなみに現在、有希子さんがいるソープランドに“成人の日の記念に!”とやって来るのは、ひとりいるかいないかとのことだ。

 それでは、有希子さんの新人時代、吉原に来る新成人にはどのような男性が多かったのだろうか。もしかして、初ソープが童貞とサヨナラという人もいたのでは?

「いることにはいたけど、7割がすでに経験済みって感じだったかな。今、もしも、成人の日にはソープに行かなくてはいけないというルールがあったら、8割は童貞クンじゃない? それほど、女性経験のない人が増えているんでしょ?」

 筆者が成人を迎えた20数年前は、なんとなく世間的に「20歳で童貞は…」という雰囲気もあり、童貞をソープで捨てるのは大いに“アリ”な行為でもあった。それに、周囲の大人が新成人をソープにかぎらず風俗に連れていったりもしていた。この会話の流れで有希子さんが教えてくれたのは、お店のお姉さんたちから聞いた話だ。

 国民的アイドルが多数在籍するあの事務所も、先輩が新成人をソープに連れてくることがあったのだという。しかも、「ほかの穴の方は経験済みの人が多かった」というエピソードつき(笑)。残念ながら、そのような“ならわし”は、ここ10数年はないようだ。

 といった具合に、“成人の日景気”など感じられなくなった吉原ソープだが、それでも有希子さんは、新成人に是非ソープに来て欲しいと思っている。それは、「成人になったからこそ、裸の男女の流儀をちゃんと知ってほしい」からだという。さらに、

「プロの技術を体験することで、プライベートのエッチにも役立つと思うんだけどな…」

 とも言っていた。おせっかいながら、人生の少し先輩として有希子さんは若者たちのセックスライフの充実を願っているようだ。
(文=子門仁)

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