待ち合わせ場所に先着した筆者。どんな女性が来るのかわからないので、いつものように道行く不細工チャンやおでぶチャンを脳裏に焼き付ける。こうやって己のストライクゾーンを広げていると、ほぼ時間通りにナナエちゃんがやって来た。
お、おふぅ。
一目見た途端にフル勃起する我が愚息。相変わらずなんて早さのレスポンスなのだろう。そんな正直者の愚息が可愛くて仕方がない親馬鹿のトコショーなのである。
ナナエちゃんの見た目は元シンクロナイスドスイミング選手の小谷実可子をちょっと地味にした感じ。この「地味にした感じ」というのが最高なのである。ケバケバしくもなく、派手さもなく、まさに良妻といった具合だ。
クーっ、タマランチ会長! 普通に生きていれば絶対に筆者みたいな人間とは交わることがないであろうナナエちゃん。しかし、出会える系サイトならこういう出会いがゴロゴロしているのだ。
中肉中背でなかなか美味しそうな身体つきのナナエちゃん。買い物帰りなのか手には三越の紙袋を提げている。グフフ、いいね、いいねぇ。伊勢丹やマルイではなく「三越」というのがタマラン。ますます筆者とは別世界の住人のように思えてしまう。
そんな獲物を逃してなるものかと、紳士の仮面を被って彼女に近づいていった。
「こんばんは、ナナエちゃんかな?」
「あ、はい。そ、そうです」
「さっき【ワクワクメール】で約束したショーイチです。今日はよろしくね」
「こ、こちらこそ」
「いやぁ、びっくりしたよ。本当にナナエちゃん?」
「え? そうですけど」
「ドッキリとかじゃないよね?」
「えェっ?」
「いや、こんな綺麗な人が来るなんて思ってなかったから、信じられなくてさ」
「そ、そんなことないです」
いつもならもうちょっと場を湧かせるところだが、あまり持ちあげ過ぎるのも危険だ。「この人、遊び慣れてそう」と思われたら大失敗だからである。
「じゃ、さっそくだけど行こうか?」
「あ、はい」
ラブホ街に向かいながら、ナナエちゃんに安心してもらうために「善人」を装うための会話を開始。
「お、俺、あんまりこういう遊びに慣れてないんだけど、ナナエちゃんは俺みたいなので大丈夫?」
「え?」
「ほら、無理強いとかしたくないから、嫌だったらこのまま帰ってもらっても構わないからさ」
「そ、そんなことないです! ショーイチさんで良かったです!!」
「え? どうして?」
「だって、優しそうだし、怖くなさそうだし…」
「ま、まぁね。優しいくらいしか取り柄がないだけなんだけどね」
「それが一番ですよ。私いま凄く安心してますし」
「良かった。それならいいんだけどさ」
そうこうしている内に、ラブホへ到着。無事に入室して、ナナエちゃんが先にシャワーを浴び始めることに。