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「リンコちゃんはよく新宿とか来るのかな?」 
 
「そうですね、月に数回くらいです」 
 
「買い物とか映画とか?」 
 
「だいたい買い物ですね」 
 
「そっかぁ、じゃあこっちの歌舞伎町とかはあまり来ないのかな?」 
 
「はい、学生の時に何度か来たくらいですね」 
 
「そうだよね。俺もクライアントの関係で月に数回来るくらいだからあんまり詳しくないんだ」 
 
「へぇ、そうなんですか。意外です」 
 
「えっ? そうかな?」 
 
「はい。だって女性慣れしてそうですし、エスコート上手ですし…」 
 
「そ、そんなことないってば! 職場は野郎ばっかりだし、女性と話すのも久しぶりだから超ドキドキしてるんだよ」 
 
「へぇ、ホントですか?」 
 
「今さら嘘ついたってしょうがないでしょ。テ、テンパっちゃうからあんまりイジメないでよ」 
 
「ふふふ、ごめんなさい」

 
 はい。一丁上がり! 筆者トコショー、普段は決して饒舌なほうではない。だが、今からヤれそうな女性の前だと神がかったかのようにベシャリが上手くなるのである。ま、これも場数をたくさん踏むことによる長年の努力の賜物ってやつだろう。

 こうしてコンビニに立ち寄った後、無事にホテルにチェックインすることができた。

 ここまで来ればしめたもんだ。あとは煮て食うか焼いて食うか、こちらの胸三寸である。

 
「先にシャワー浴びる? それとも俺が先に浴びようか?」、いつもなら必ず先に女性をシャワーへと促すのだがあえてこう問うてみたトコショー。簡単な選択肢を提示して、彼女自らにそれを選んでもらうという流れだ。心理学的には効果があるのかどうか知ったことではないが、初めての不貞で緊張している女性に少しでも安心してもらえるようにという筆者の作戦である。

 
「じ、じゃあショーイチさんお先にどうぞ」 
 
「うん、了解。飲み物でも飲んで待っててね」

 
 いつもより念入りに身体を洗ってからシャワーを出て、リンコちゃんと交代する。そして買ってきたコーヒーを飲みながら彼女を待つことに。

 シャワーの音が止んだのをきっかけに、手元に用意しておいた歯ブラシをクチに咥える。

 そう、コレはきちんと歯を磨いてまっせという清潔感アピールのためである。同衾するこの直前に歯磨きしていることを相手に伝えてより一層安心してもらうという狙いだ。

 シャワーから出てきたリンコちゃんはそんな筆者の姿を見て、自分も歯を磨きはじめる。うーん、我ながらいい流れだなぁ。

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