大手芸能事務所が“鬼門”名古屋で物件探しに奔走するワケ


「名古屋NSCに優秀な人材がいなかったわけではないんです。いま東京で活躍している、スピードワゴン(現在、ホリプロコム所属)やザブングル(現在、ワタナベエンターテインメント所属)、スギちゃん(現在、サンミュージックプロダクション所属)は名古屋NSCの出身です。みんな地元を離れ、東京の他事務所に移籍してからブレイクしました。だから吉本のイメージがまったくないんです」(同放送作家)

 あくまでウワサだが、上記のコンビにとって“名古屋よしもと時代”の話はタブーと聞いたことがある。よっぽど、名古屋時代に辛い思いをしたのだろう。

「名古屋よしもとを仕切っていた所長が、かなり破天荒な人間だったそうです。ただ、社内では力を持っていた人だったので、異動させることができず、渋々事業を縮小せざるを得なかったようですよ」(同放送作家)

 そんな暗黒の地・名古屋に、なぜまた吉本は勝負を賭けるのだろうか?

「“新宿から40分”というのが大きな魅力ですね。『ルミネtheよしもと』(新宿区)で舞台が終わって、1時間以内で人気芸人を名古屋の舞台に立たせることができるんですから、もうガッポガッポじゃないですか(笑)。鳴り物入りで始めた『よしもと幕張イオンモール劇場』(千葉県千葉市)は、休日はまだしも平日はすでに閑古鳥が鳴いていますし、へたしたら『神保町花月』(千代田区)に移動するよりも早く到着できるのですから、こんなビジネスチャンスはないはずですよ」(芸能ライター)

 元々、名古屋という土地は東京と大阪の中間にあるという土地柄、東京ローカルも大阪ローカルも両方見られる“優秀な芸人”が育つ土壌。たしかに駅前に専用の劇場ができ、新たに地元から人気スターを輩出する可能性は十分だ。『吉本栄3丁目劇場』も含めて、名古屋NSCが復活する日は近い!? 
(文=浅野悠)

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