「こんにちは、ミミちゃん。【ハッピーメール】で約束してたショーイチです」
「あ、ど、どうも」
「ん? 緊張してるのかな?」
「は、はい。少し」
「そっかぁ。じゃ、ホテルに行く前に軽くお茶でもしようか?」
「い、いえ、大丈夫です。お、お任せします」
「ホントに平気? もし嫌だったらこのまま帰ってもらっても怒らないからね」
「は、はい。じゃなくて、い、嫌じゃないです」
「ハハ。メールでも伝えた通り、俺は絶対に女性の嫌がることはできないから安心してね」
「よ、よろしくお願いします」
初めての出会える系遊びということで緊張しているのだろう。ここは道化に徹して彼女の緊張をほぐしてやるのがトコショー流だ。
ホテルに向かいながら積極的に話しかけるトコショー。
「新宿にはよく来るの?」
「たまに買い物とか映画とかで」
「そっかぁ。じゃあ知ってる人にバッタリ会っちゃうなんてこともあるのかな?」
「うーん、絶対にないとは言えませんねぇ」
「じゃあさ、もし知ってる人に出会ったら俺のこと無視して大丈夫だからね」
「え?」
「もしそうなったら俺はそのまま通り過ぎて行っちゃうからね。で、次の角を曲がったところで大人しく待ってるからさ」
「フフフ、ホントですか?」
「あ! 今日はじめて笑ってくれたね。すっごい可愛いじゃん」
「え、そ、そんなことないです」
「いいや、そんなことあるってば」
「もう、ショーイチさんって優しいんですね」
こうして程よく二人の距離が縮まったところでホテルに到着。そして別々にシャワーを浴びて、いつもより室内の照明を暗くしてからベッドインスタートである。