童顔なのに潔い脱ぎっぷり! 注目のカメレオン女優・桜木梨奈の“女優魂”に脱帽!!

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火野正平さんとなら、アリ!?

──ユミに翻弄される岩田を演じた火野正平さんとは、初めての共演だったと思いますが、印象はどうでしたか?

気取らず、でも、ただそこにいるだけで存在感がある。偉そうじゃないし、むしろ気さくで、本当に優しい人でした。いろんな女優さんが火野さんに恋をした気持ちがすごく分かります。本当にかっこよかったです!

──昔は「握手するだけで妊娠する」って言われてましたからね(笑)。やはり、男としての色気を感じましたか?

はい、すごくセクシーな方です。年齢が障害にならないっていうか……。

──実際、何歳違いなんですか?

40近く違いますね。

──約40歳差! 父親より上ですよね…。映画の中では火野さんと男女の仲になるわけですが、それぐらい年の離れた男性との恋愛もアリだと思いますか? まあ、60歳過ぎて火野さんくらいセクシーな男性はそうそういませんけど(笑)。

はい、アリかなって思います。もちろん、人によりけりですけど(笑)。

 

last_love_sub01.jpg(C)レジェンド・ピクチャーズ

 
──桜木さんは火野さんのことが以前から大好きだったと、あるインタビューで読んだのですが。

はい、小さい頃から祖父と一緒に『必殺シリーズ』(『必殺仕事人』に始まる一連のテレビシリーズ)を見ていたので。『必殺』のキャラクターはみんな好きなんですけど、火野さんは「うわっ、可愛い人だな〜」って思ったんです。

──え、子供なのに40以上年上のオジサンが可愛く見えたんですか(笑)?

はい。子供なのに「可愛い~」って思って見てました。

──大好きな俳優、それもいろいろな女優を見てきた経験豊かな俳優の前で演技するのは、うれしい反面、恐くなかったですか?

はい。最初は、一般人だった時の私と、俳優の私がごちゃ混ぜになった、よくない緊張がありました。「え、これは夢? 現実? どっち?」みたいな(笑)。でも、火野さんが私の緊張を何気なく、ほぐしてくれたんです。

──たとえば、どのように?

外のロケで、シロツメクサがたくさん咲いているところがあったんですけど、よく火野さんは草むらで昼寝をしていました(笑)。ある時、そこで四葉のクローバーを見つけて、私にくれたんです。もう、それだけでうれしくて!

──さすがモテ男ですね~! 女性が何をされるとうれしいか、分かっているんですね。

 
年齢不詳のカメレオン女優

──桜木さんはアイドルのようなルックスをお持ちですが、アイドル路線の話もあったんじゃないですか?

いやいや、可愛いコなんていくらでもいますし、私、アイドル向きじゃないんです。なんか、「うふ(ハートマーク)」みたいなのができなくて、やっても「痒い~」ってなっちゃうんです(笑)。

──それは意外ですね(笑)。直接お会いすると、若い、というか幼く見えますよね。映画の中で騎乗位をしていたコと同一人物には見えないですよ(笑)。

アハハ、よく言われます(笑)。

──なんというか、年齢不詳です。限りなく、下にも上にもなれそう。

そう言っていただけるのはうれしいです。何歳になっても、年齢がどこまでも下、どこまでも上に見られる演技が出来るにようになりたいです。

 

last_love_sakuragi.jpg(C)レジェンド・ピクチャーズ

 
──役ごとに、全然印象が違いますよね。ファンのあいだでも「カメレオン女優」と言われているようですが、役づくりはかなり努力されているんじゃないですか?

う~ん、あまり考えてないんですけど、いただいた役の生活はどんなだろうって、その人の生活を撮影前に辿ってみたりはします。

──考えるよりも体験して感覚を掴むのが、なんだかダンサーっぽいですね。今回の作品でいうと、どのような生活をされたんですか?

「双極性障害」(旧称:躁鬱病)の女性の役だったので、まずその病気について勉強するところから始めました。友達の薬剤師に薬について聞いたり、YouTubeに上がっていた患者さんたちが集まる座談会の映像を見たり。その後は、ひたすら自堕落な生活を送りました。実際の患者さんのように、一日中、何もしないんです。

──自堕落な生活を送ると、昼夜逆転したりして、自律神経が狂いそうですよね。実際にやってみて、いかがでしたか?

はい、とにかく眠いんです(笑)。患者さんたちの多くは、やりたいことはあるんだけど、体がダルくてそれに向かう気力がない、湧かないっていう鬱状態にあるみたいなんです。目は開いているんだけど、体は動かない。思考も止まっていく。私も段々そういう状態になっちゃって、セリフを覚えるのに苦労しました。セリフを覚えてからやればよかったなって後悔しました(笑)。

 
ダンスも、芝居も、セックスも同じ

──それは完全に順番を間違えましたね(笑)。しかし、主人公のユミは無気力でダルい一方、ダンサーとして指の先まで神経を使って動かす一面もある。“動かない体”と“動き過ぎる体”という両極端なものを演じるのは大変だったんじゃないですか?

そうですね、あんまり考えながら動くのも良くないと思ったんですけど、ユミのその時々の状態によって変化をつけないといけないので、難しかったですね。ダンスを踊る時は、もともとダンスが好きだったから「好きにやればいいや」っていう感覚でやってましたけど。

──ギターの曲調に合わせて、フラメンコのような振りが多用されていましたが、振付けはご自分でされたんですか?

いえ、鈴木さんという女優さんが振付けされたんですけど、自由にやっていいとて言ってくださったので、ベースは鈴木さんの振りで、空いているカウントは自由に踊っていました。でも、私はもともとヒップホップとかストリート系のダンスしか経験がなかったので、最初はかなり苦労しました。今回出演している俳優さんたちに劇団四季出身の方々が多かったので、皆さんに教えてもらえたのがありがたかったです。

──周りが劇団四季出身だと、それはそれでやりづらそうですね(笑)。でも、ユミがダンサーだということは、日常の何気ない動きの端々にも現れていましたね。ダンスのシーン以上に、この人がダンサーなんだっていう説得力を感じました。

気づいていただけてうれしいです! 監督から、日常の動きの中でもダンサーだということをチラチラさせてほしいと言われたので、自分なりに考えて、ここかな、と思う瞬間にそういう動きを入れてみました。すごく地味なんですけど、バレエっぽく八の字に足を開いて歩いたり。

 

last_love_03.jpg(C)レジェンド・ピクチャーズ

 
──『愛人』の中では、そういった監督の“狙い”のようなものがいくつか見受けられますよね。岩田が『白鯨』を読んでいたり。一番ハッとしたのは、恋人同士であるはずの岩田とユミのセックスシーンが一切ないこと。

はい、そうなんです。その方が、想像を掻き立てられますよね。

──その一方で、筋肉質な若い男性とは濃厚なセックスシーンがありましたよね。とても自然な感じでやられていましたが、そういうシーンの時は“普段どおりにやる”みたいな感じなんですか?

え~と、そんなに勉強したことがないので、あんまり考えずにやりました(笑)。ただ、一点だけ監督からお願いされたことがあって。男性が上になっている時に、自分の足を高く上げてから男性の腰に絡める動きがあるんですけど、それだけは絶対やってほしいと言われました。

──まるで踊るように足を動かしてセックスしていましたよね。岩田とユミがギターとダンスでセッションをするシーンがありますが、それもある意味、セックスのように見えるというか。監督があえて岩田とユミのセックスシーンを見せなかったのも、そのセッションがセックスと同じ意味を持つことを伝えたかったからのように見えました。

はい、まさにそうだと思います。ダンスをやっていた時、生の演奏に合わせて踊ったことがあるんですけど、その時も高揚感がスゴくて。今回、火野さんと向き合って踊った時も本当に交わっているような感覚で、恍惚とした気分になりました。ダンスだけじゃなく、お芝居でも、そういう瞬間はあると思います。

──演じる時のエネルギーも相当なものがありそうですよね。劇中で恋人役の人を実際に好きになる事例がよくあるのもうなずけます。

そうですね。「演じる」というのは、本来自分ではないものになるということですけど、自分ではない、ということを忘れて役に没頭できる、そんな女優になりたいと思います。

 
目標はハリウッド進出!

──今後はどんな作品に出てみたいですか? 桜木さんはコメディとかも似合いそうですよね。

私の中で『花と蛇 ZERO』はコメディだったんですけど(笑)、面白かったので、本格的なコメディ作品にも是非やってみたいですね。あと、自分の人生の大きな目標として、ハリウッド映画に出る、というのを上京した時からずっと掲げています。

──おお、ハリウッドですか!

はい、夢はデッカく! あ、「夢」って言っちゃいけないですね(笑)。

──あはは(笑)。この監督の作品に出たい、というのはありますか?

日本の監督だったら、北野武さんの作品に出たいです。女性があまり出てこないんですけど、ワンシーンでもいいから出てみたい。ワガママを言えば、『アウトレイジ』のようなバイオレンス作品に出た後、自分が3、40代くらいの歳になった時に、『菊次郎の夏』のような作品に、おせっかいな近所のオバサン役で出てみたいです。そのオバサンが武さんにちょっかいを出しちゃったりするんです(笑)。

──かなり具体的ですね(笑)。ハリウッド映画だと、どういった作品がお好きなんですか?

『ジュラシックパーク』です。

──意外にどメジャーですね(笑)。

子供の頃に観た印象が強く残ってるんです。そんなインパクトのある映画に出たいんです。『ショーシャンクの空に』みたいな、”人間”が描かれている作品に
も出てみたい。これから色々な作品に出会って、見て下さる方にもっともっと観たい! って応援してもらえるよう、頑張りたいと思います!
(取材・文=辻枝里/写真=折居洋)

<作品情報>
10月4日(土)より新宿K’s cinemaにてレイトショー
ラブストーリーズvol.3「LAST LOVE/愛人」
※初日舞台挨拶あり

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■ラブストーリーズ公式サイトはコチラ(http://www.lovestories.jp/
■新宿K’s cinemaはコチラ(http://www.ks-cinema.com/

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