相次ぐ「脱法ハーブ」の悲劇…芸能界や格闘界でも蔓延中


 違法ドラッグに比べれば、その効果は低いイメージのある脱法ハーブ。にもかかわらず、これだけ錯乱事件や死亡事故が多発しているのはナゼなのか。

「脱法ドラッグはたび重なる規制を受けていますが、そのたびに微妙に化学構造を変えた成分を使って法律をすり抜けてきた。そのイタチごっこを終わらせるため、厚労省は昨年3月、似た化学構造の薬物を一括して規制する『包括指定』を導入しましたが、今度は化学構造を大きく変えた成分の脱法ドラッグが出回るようになってしまった。規制すればするほど新たな成分が開発されるわけですが、当然ながら十分な安全検証を経ていない。それどころか、メーカー側は作用の強さとコストの低さばかりを優先する。すると、効果だけは強い粗悪な成分が使われることになり、人体への悪影響が顕著になります。特に最近出回っている新世代のハーブは、愛好者の間で『久々の大当たり』と騒がれ、効果が強いことで知られている。裏を返せば、それだけリスクも高い。また、新しい成分は健康被害があっても治療法が確立されておらず、病院に担ぎ込まれても対応しきれないことがある。それも脱法ドラッグの恐ろしさです」(業界関係者)

 ドラッグに詳しい人物たちの間では「覚せい剤より危険」といわれている脱法ハーブ。いくら法に触れないといっても、わざわざカネを払って何が入っているか分からないものを吸いながら、自分の身体で人体実験しているようなものだ。違法・脱法だのモラルどうこうはさて置いても、こんな物に手を出すのは正真正銘のバカモノだけといえるだろう。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

men's Pick Up