AV女優であって舞台女優や映画女優…それが普通な時代は確実に近づいている

 自身の作品を主観と客観を交えながら解説する「自画自賛コーナー」が、AVライターの立場から見ても楽しめ、以前からしばしば拝読していた川上奈々美のブログ「みぃななの飾らないままに」を遡れば、彼女が元々芝居への情熱を持っていた女の子だと分かる。自身の写真よりも彼女が今見ている景色がそのまま目に飛び込んでくるような風景写真が目を引く横山美雪のブログを見れば、彼女が映画の企画段階から参加しスタッフと共に主演映画を作り上げてきたことが感じられる。

 先日作品レビューの仕事で、川上奈々美の3月リリースのAV作品『お下品なフェラチオでしゃぶらせて』と、横山美雪の4月リリースのAV作品『インテリ痴女家庭教師』を観る機会を得た。そこでは、川上奈々美が男優の小さな口を目一杯に広げデカマラをしゃぶり、時に脚で押さえられ喉深くまで飲み込まされる姿を見せ、ファックでは息を詰まらせるような悶え姿を見せ、仰け反りながら「イッちゃう…」と顔射を受けていた。横山美雪が「家庭教師は密室で生徒と恋愛ゲームをする。「勝者いつも私」とモノローグし、生徒を相手に顔騎クンニし、足コキをお見舞いし、合格のご褒美に身体を供しつつ自らも快感に浸る姿を見せていた。そこには、今までと全く変わることのない川上奈々美と横山美雪の姿があった。

 テレビドラマの中で『日活ロマンポルノ』で活躍した女優たちの姿を目にすることがある。視聴者の多くは、彼女たちがポルノ女優だったことすら意識しない。一昔前であれば、男性向け週刊誌などで話題になっていたが…。多分AV女優がテレビに出ることも、しばらくすれば普通のことになるのだろうね。ただし、パイオニアは必要。もちろん他にも居るけれど、その1人が川上奈々美であり、横山美雪だろうと思う。今は色々と偏見もあって大変だとは思うけれど。

 世の中に不変なモノなんて何もない。国や宗教、いや住む地域がちょっと違うだけで「普通」なんていっぱいある。彼女たちがAV女優の「普通」を作り出すことに、ちょっとでも参加できれば嬉しいのだけれど。
(文=浅見光弘)

浅見光弘プロフィール
果物系と呼ばれた古式ゆかしき某AV情報誌編集者として業界に携わり、浮き沈みしつつ水遁の術でライターとして何とか生息。

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