小保方さんバッシング吹き荒れる「STAP細胞」問題、騒動の背景に“男の嫉妬”


 確かに研究はチーム制で論文の共著者は全員で8人もいるのに、小保方さんだけが執拗に叩かれるのは疑問を感じるところだ。論文作成を実質的にリードしていたのは、小保方さんが所属する理研発生・再生科学総合研究センターの副センター長・笹井芳樹氏(52)だったという情報もある。なぜ、小保方さんだけに批判が集中しているのか。

 この疑問については、論文発表に際した研究チームの過剰な“演出”がアダになったとの指摘がある。東京新聞によると、笹井氏は小保方さんを大舞台に押し上げるため、理研の広報チームと協力してメディア向けの演出を計画。笹井氏が「割ぽう着」のアイデアを発案し、この演出策に乗った小保方氏も会見の1カ月前からピンクや黄色の実験室を準備したという。つまり、会見直後に盛んに報道された「女子力の高いリケジョ」「割ぽう着の研究者」というイメージは“捏造”された虚像だったことになる。

 このイメージ戦略は、理研側が「予想を上回った」というほど大成功を収めた。だが、祭り上げられた小保方さんがあまりにも目立ってしまい、ネットを中心に疑惑の追及を誘うことになってしまった。これを「嫉妬」というならばその通りかもしれないが、研究者だろうと芸能人だろうとスポーツ選手だろうと目立っている人物のウラを暴きたくなるのは人間のサガ。小保方さんが女性だから嫉妬されているわけではなく、これだけ脚光を浴びれば性別と関係なく疑惑追及は起きただろう。

 もし過度のイメージ戦略がなければ、ここまでの騒動にはならなかったかもしれない。科学的研究の分野では、その成果の真偽について何年も決着がつかないのは珍しいことではない。世間の注目を不必要に浴びなければ、今回のようにウソつきや犯罪者のような扱いをされることもなかっただろう。小保方さんを押し上げる意図があったとはいえ、なぜここまで大々的な演出が仕込まれたのだろうか。

「再生医学の分野で第一人者といわれていた笹井氏ですが、京都大学の山中伸弥教授(51)がiPS細胞の開発でノーベル賞を受賞すると、世間や業界の関心は山中教授に移ってしまった。業界での立場も山中教授の方が完全に上になり、笹井氏は内心面白くなかったようです。山中教授への対抗心が強くなった笹井氏は、小保方さんを使った演出で大体的に世に打って出ようとした。また、理研の中でも研究所同士の競争があり、目立った成果を上げないと予算が削られるという事情もあった。しかし、功を焦ったのか研究のツメが甘く、それが今回の騒動につながってしまったようです」(業界関係者)

 ジェンダー論争は的外れだったといえるが、騒動の背景には“男の嫉妬”が確かにあったようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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