「床オナニー」からの卒業


 かつての床オナニストたちに、卒業のコツを聞いてみた。彼らは、どのようにして最高の快楽に終止符を打ったのだろうか?

■オナホールの使用
 斬新な回答を期待していた筆者にとっては、正直拍子抜けする回答であった。ネット通販で、大量の使い捨てオナホールを大人買いし、「これを使い切る頃には床オナを卒業できているはず!」と、自分自身を奮い立たせる。卒業生いわく、オナホールの機能云々よりも、「金をかけている」という点にポイントがあるらしい。確かに、床オナニーはコストが一切かからない。対してオナホールは、使い捨てタイプなら1000円以下でも購入できるが、それでも毎度のこととなるとかなりの出費になる。だからこそ、卒業への意志が強まるのだ。

■オナニー自体の禁止
 何日間いや何週間と禁欲を続け、ひたすら夢精を待ったと証言する者も。女性である筆者にとっては、「夢精=未成年がするもの」という認識であったが、成人でも禁欲の果てに夢精することがあるようだ。禁欲→夢精→再び禁欲→夢精……と繰り返しているうちに、床オナニーへの執着が薄れていくのだという。そして、自分の中で一定の目途がついたところで、スタンダードオナニーへと移行するのだ。オナホール代に金をかけられない人にとってはありがたい方法だが、強い精神力が必要。

■オナニー前の飲酒
 性欲が湧いてきたら酒を飲むという矯正法を推奨する男性も。酔いが回ると、うつ伏せになっての腰振りが困難になる。腰の揺さぶりが頭にも伝わりクラクラするのだ。そのため、床オナニーを諦めスタンダードに手でグリップするという選択肢に至る。くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。

【結論】
 いずれの矯正法も、一朝一夕でできるものではないようだ。個人差はあるにせよ、それなりの時間をかけ長期戦で挑むことが、床オナ卒業最大の秘訣とのこと。3月は、世の中が全体的に卒業モードとなっている。この流れに身を委ね、床オナニーの卒業を検討するのも一興である。
(文=菊池美佳子)

菊池美佳子(きくち・みかこ)
1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21~29歳の間、キャバクラ嬢・テレフォンセックス嬢・企画物AV嬢としても活動。引退後、文筆業に転身。
■著書:『2010年代 ニッポンの風俗』『つけちゃうぞ! 大人の保健体育』
『テレフォンセックス裏物語』『Sの妹Mの彼女』

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