「靖国神社はヒトラーの墓と同じ」春香クリスティーン、炎上発言の真相

 スイス出身のハーフタレント・春香クリスティーン(21)が、26日に放映された『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)にコメンテーターとして出演し、ある発言が原因で大批判を浴びている。Twitterでは一時この話題で持ちきりとなり、ブログに批判コメントが殺到するなど炎上状態となった。

 事の発端は、同日に安倍晋三首相が靖国神社に参拝し、このニュースが同番組で取り上げられたことだった。司会の宮根誠司からコメントを求められた彼女が「もしもドイツの首相がヒトラーのお墓に墓参りをした場合、他の国はどう思うのか」などとコメントしたとして、その発言が物議を醸しているのだ。

 ネット上では以下のような賛否両論が巻き起こっている。

「あまりにも不勉強。どう考えてもヒトラーの墓とは違うだろ」
「ウチの爺さんの兄弟が祀られてるけどバカにされた気分。謝罪してほしい」
「国のために命を捧げた英霊をヒトラーと一緒にするな」
「外国から見れば同じようなもんじゃないの」
「こんな女の子を批判するより他に怒ることあるでしょ」

 靖国神社は政治問題となっているA級戦犯だけでなく、他の戦没者、幕末の志士らも合祀されている。その点だけとってみても「ヒトラーの墓」と同列に扱うのは、かなり無理があるように思える。この発言がクリスティーンの意見であれば、勉強不足を指摘されても仕方のないところだ。特に彼女は、おバカ系が多いハーフタレントの中で現役の上智大生というインテリ派。だからこそ、ワイドショーのコメンテーターとしても活躍しているのだが、化けの皮がはがれてしまったのだろうか。

 だが実際の放送を確認すると、彼女の発言は正確には以下のようなものだった。

「海外でこの問題、やっぱりよく比べられるは、もしもドイツの首相がヒトラーのお墓に墓参りをした場合、ほかの国はどう思うのかという論点で議論されるわけですけど…まあ、難しい問題ですよね」

 ネットや一部メディアでは「靖国神社=ヒトラーの墓」という発言はクリスティーンの意見のように書きたてられているが、実際は「海外ではこう例えられている」と発言したに過ぎないようだ。

 実際、05年に小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝問題が持ち上がった際には、中国の外相が「ドイツの指導者がヒトラーやナチスの追悼施設を参拝したら欧州の人々はどう思うだろうか」と非難した。また、自民党と連立政権を組んでいた公明党の議員も「ヨーロッパでヒトラーの墓に参るようなものではないか」との批判を小泉氏に直接ぶつけている。クリスティーンが番組で発言する以前から、そのような言説があったのは間違いない。

 ただし、そういった言説は靖国参拝を問題視する中国や韓国が中心であり、彼女が発した「海外でよく比べられる」という表現については適切か微妙なところだが、一つの事例として紹介する程度であれば特に問題はないだろう。

 にもかかわらず、なぜクリスティーンの発言は炎上してしまったのだろうか。

「司会の宮根が彼女のコメントをスルーしたことからも分かるように、あの発言は唐突過ぎた印象がありました。ちゃんと順序立てて話せば印象が違ったのかもしれませんが、彼女はコメンテーターとしてのキャリアも浅く、それができなかった。それ以前に、ヒトラーやナチスを話題にすると批判が生まれやすいため、ほとんどのテレビ出演者は敬遠するところ。彼女のワキが甘かったといえばそれまでの話です。また、バラエティーで汚部屋を公開するなどした影響もあり、世間は彼女をインテリとして認識していない。それなのにあんなキワドイ発言をしたら『無知なタレントの暴言』と世間に見られてしまいますよ」(テレビ局関係者)

 経験不足が招いた炎上ともいえそうだが、この失敗を糧にして視聴者をうならせるようなコメンテーターに成長してほしいものだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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