関東連合を潰すためのワナだった? 六本木クラブ惨殺事件の深すぎる闇

 昨年9月に東京・六本木のクラブ「フラワー」で飲食店経営の藤本亮介さん(当時31)が目出し帽をかぶった男たちに鉄パイプなどで暴行され死亡した事件で、傷害致死罪などに問われた「関東連合」元リーダーの石元太一被告(32)に対し、東京地裁は19日に懲役11年の実刑判決(求刑懲役22年)の判決を下した。

 そもそも、この事件は「人違い」だった。石元被告が対立する相手がクラブにいると仲間に知らせたが、その人物と藤本さんは別人だった。検察側は犯行のきっかけを石元被告がつくり、クラブに向かう仲間の様子も彼は見ていたことから「事件を発生させた張本人」と主張。だが、裁判長は事件の首謀者は海外逃亡中の見立真一容疑者(34)だとし、石元被告は抗争に協力したにすぎないと判断した。

 その結果、求刑の半分という大割引の判決になったが石元被告は退廷時に傍聴席の仲間に「納得できないっす。悔しいっす」と発言。さらに検察側の席に向かって「諦めねえからな」とドスの利いた声ですごんでおり、控訴するのは確実とみられている。

 この事件の背景には、ある殺人事件が重要なキーポイントとして存在する。それは08年3月の早朝、東京・西新宿で関東連合OBの金村剛弘さん(当時32)が目出し帽をかぶった男たち数人によって殺害された事件だ。金村さんは見立容疑者の兄貴分とされ、プロレスラー並みの肉体で「ケンカ負けなし」といわれる存在だった。だが、住宅街の狭い路地で武装した男たちに追い詰められ、泣きながら「助けてください」「許してください」と許しを請うたものの、金属バットなどでメッタ打ちにされて間もなく死亡した。

 この事件は犯人が一人として捕まっておらず、迷宮入りの様相を呈している。だが、兄貴分を殺された見立容疑者ら関東連合は犯行グループの首謀者に目星をつけ、敵討ちをしようとしていたようだ。

「実行犯は誰か分かりませんが、金村さん殺害を指示したのは暴走族出身の元暴力団員のX氏ではないかといわれています。かつてX氏の傘下にある振り込め詐欺グループと、見立らの詐欺グループが対立し、金村さんともX氏は衝突することになった。また、2010年に振り込め詐欺グループの仲間割れで男性が殺害される事件が起きましたが、これも両グループの抗争であり、男性がX側から関東連合サイドに寝返ろうとしたための制裁だったとささやかれています。この抗争にX氏が関係している組織も介入し、関東連合側の実質的なトップだった金村さんが標的になった可能性がある」(週刊誌記者)

 事件の直前には、金村さんがX氏のグループのメンバーと飲食店で揉めて、相手をボコボコにしていたという情報も一部で報じられている。こうしたトラブルが積み重なり、殺人事件に発展してしまったのだろうか。

 関東連合側が敵討ちに躍起だったのは理解できるが、なぜ石元被告が間違った情報を仲間に伝えてしまったのかという疑問は残る。これについては、ワナにはめられたとの説が根強いようだ。

「被害者の藤本さんは半グレ集団と付き合いがあり、X氏とも親交があった。藤本さんとX氏は二人とも色黒の丸坊主で風貌がよく似ていて、見間違える人もいました。命を狙われていることを知っていたX氏が、これを利用して石元にニセ情報を流し、藤本さんを襲わせた可能性がある。関東連合は所詮は暴走族上がりの素人集団ですから、X氏サイドは犯行が簡単に警察にバレることまで見越していたのでしょう」(実話誌記者)

 実際、襲撃メンバーは監視カメラの存在に気付かずに素顔をさらしたまま映った者もおり、さらには携帯電話の履歴から事件の流れが丸分かりになってしまうなど稚拙な犯行だった。

 かねてからの警察の摘発で力を失っていた関東連合は、この事件で石元被告が“下手を打った”せいで完全に崩壊。もはやメンバー同士の横のつながりはないに等しく、有名無実化している。六本木の夜の惨劇は、関東連合を潰すために仕組まれたワナだったのだろうか。この真相は、逃亡中の見立容疑者の逮捕と西新宿金属バット殺人事件が解決しない限り、明らかになることはなさそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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