「アフター5」はもう古い!? 就活の新基準「キラキラ20時退社」に社畜大激怒

1128officelady_fla.jpg※イメージ画像 photo by Healthnewsnet from flickr

 20代女子や30代女子、いやいや40代も50代も、最近は女性の生き方がなにかと取り沙汰されている。それはなにも若者に限ったことではなく、もちろん未婚や既婚にもこだわらず、世の中の女性向けと呼ばれるものの多くが女性の「キラキラ生活」を提唱、もしくは応援しているように感じる。

 「キラキラ生活」とはいったいなにか。平たく言えば、仕事や育児はもちろん、プライベートに至るまで、とにかく24時間充実している生活のことだ。職場と家を往復するだけではなく、終業後のヨガや英会話などの習い事はキラキラ生活を送るうえでのスパイスであり、休日の小旅行やおしゃれなイタリアンでの女子会はもはやステイタスともいえる。子育て中の主婦でさえ、手作り料理をデジカメで撮ってはFacebookなどでキラキラ生活を配信し、お気に入りのアロマを炊きながら愛する我が子の成長に幸せを噛みしめることもキラキラ生活といえよう。

 そんなキラキラ女子がいる一方で、キラキラとは無縁の「ブラック企業」の存在も増えている。うっかりブラック企業に就職してしまったらキラキラ生活への夢は望むべくもないので、ブラック企業の増加というのは由々しき事態である。就職活動での企業選びは、その後の一生を左右する場合もあり、企業のネームバリューをはじめ、給与や安定性など様々なことを考慮し(もちろんブラック企業は論外である)、「ここだ!」と思う企業に絞るのだが…最近の女子大生は一味違うというのだ。

 キラキラ生活を送る最大のポイントである退社時間。彼女たちが存分に輝けると考えるのが、人材コンサルタントの常見陽平氏が紹介する「キラキラ20時退社」なのである。

 一般的な定時が17時半や18時であるのに対し、いくらキラキラをつけたところで20時退社というのはちょっと遅いと感じるが、彼女たち曰く、「定時に退社するのは仕事をしていないようで、残業している人に対して『罪悪感』がある。とはいえ、21時以降の退社は『社畜(会社の言いなりになって、つらい仕事でも文句も言わず働いている会社員の意)度』や『ブラック企業度』がハネ上がる。その中間の20時がちょうどいい時間」なのだという。

 つまり、20時までの適度な残業をスパイスに、プライベートを充実させる働き方が「キラキラ20時退社」というわけだ。また、プライベート充実のビタミンである合コンも、「イケてる社会人」は決してヒマではないことから、「イケてる社会人が集まる合コンは20時スタートが多い」ということで、20時退社がちょうどいいというのだ。

 この「キラキラ20時退社」に夢を見る就活中の女子大生とは裏腹に、20時になっても帰れる気配すら感じない社畜女子がご立腹のようである。

 ネット上では、「定時で帰れるなら周りは気にしないで帰ってほしい」という意見はもちろん、「残業にいくら『キラキラ』をつけたとところで、残業は残業。せざるを得ないからしているだけであって、キラキラさせたくてしているわけではない」とごもっともな意見や、「これ以上、残業を美徳とする『社畜』を増やすのは勘弁して!」と怒り心頭に語る人もいた。

 残業をポジティブに捉える精神は結構だが、キラキラ生活ばかり気にしすぎて残業の必要がない人までダラダラと仕事をするのは社会人としていかがなものか。適当に残業をすれば、毎日の生活で充実感を得られるというのはお門違いなのである。キラキラ生活を否定するつもりはないが、漠然とした残業自慢で終わるのではなく、明確な目的や目標を持って過ごしてもらいたいものである。
(文=三坂稲史)

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