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『あまちゃん』にハマった人に捧げる、今聴くべき「80年代アイドルソングベスト10」


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※イメージ画像:『80年代アイドル カルチャー ガイド』洋泉社

 数々の伝説を残して大団円を迎えたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の影響で、かつてないほど80年代の女性アイドルが脚光を浴びている。ドラマに出演した小泉今日子と薬師丸ひろ子がアイドル時代に放ったヒット曲も収録した、脚本家の宮藤官九郎監修・選曲のオムニバスアルバム『春子の部屋~あまちゃん80's HITS~』シリーズも大ヒットとなり、同時代に青春時代を過ごした世代はもちろん、当時を知らない新しい世代も80年代アイドル楽曲の魅力にハマっている。

 そんな中、80年代の女性アイドル歌謡をガイドするムック『80年代アイドルカルチャーガイド』(洋泉社)が刊行された。本書には早見優、荻野目洋子、斉藤由貴という80年代を駆け抜けたアイドルのスペシャルインタビュー、80年代アイドルの楽曲を手掛けたクリエイターたちの証言、80年代アイドルに一家言ある識者たちのコラムなどを通して、80年代の女性アイドル黄金時代を総括する内容となっている。

 そこで今回は『80年代アイドルカルチャーガイド』の編集にも携わった、歌謡曲に造詣の深いライターの馬飼野元宏氏に、今聴くべき「80年代アイドルベスト10」を選出してもらった。


1位【松田聖子「風立ちぬ」1981年10月7日発売】
 いきなり『あまちゃん』の細部からお話しますが、若き日の春子の部屋に貼ってある松田聖子のポスターが『聖子・fragrance』(81年11月1日発売)というベスト盤のおまけに付いていたものなんです。あれを見て、さすがだなと思ったんですよ。というのも、女の子の部屋に貼ってあるというのが重要なんですけど、デビュー当時の松田聖子は同性から嫌われていたんです。ところが「白いパラソル」(81年7月21日)から松本隆が作詞を手掛けるようになって、「風立ちぬ」「赤いスイートピー」(82年1月21日発売)とリリースされるうちに、同性のファンが増え始めたんです。なぜかというとデビュー当時はぶりっこの印象が強かった松田聖子に、等身大のリアルな女の子の心情を歌わせることによって共感をもたらしたんですよね。松田聖子を嫌いと言っていた当時の女の子=春子が、「風立ちぬ」や「赤いスイートピー」を聴いて見直して、じゃあ昔のシングルも聴いてみようかとベスト盤を買って、そのおまけポスターを部屋に貼ったんじゃないかと。あれが1stアルバム『SQUALL』に付いていたポスターだとウソっぽいんですよ。

 松本隆が本格的にアイドルをプロデュースしたのは松田聖子が初めてなんですけど、「風立ちぬ」あたりで松田聖子の髪型や歌声にも変化があった。どうやら歌声が変わったのは、喉を使い過ぎたことによる過労もあったみたいなんですけどね。それまでは財津和夫や小田裕一郎が書いたテンポの速い曲ばかりだったんですけど、この辺りからミディアムになって言葉の説得力も増した。やっぱり彼女は歌が上手いし、スゴい歌手なんです。だからこそ女性ファンがついてきたんでしょうね。


2位【三原順子(現・三原じゅん子)「セクシー・ナイト」1980年9月21日発売】
 国会議員になった今、かつてアイドルだったことすら忘れ去られていますが、三原順子は学園ドラマから出てきたアイドルの最後の世代の代表格です。その学園ドラマとは1979年にスタートした『3年B組金八先生』の第1シリーズですけど、彼女は役柄の不良イメージそのままにデビュー曲の「セクシー・ナイト」を歌っているんですよね。第2シリーズに出演した伊藤つかさや『2年B組仙八先生』に出演した三田寛子もそうなんですけど、役柄と歌のイメージが直結しているんです。これ以降は80年代半ばの『スケバン刑事』が最たるものなんですけど、役柄と本人のイメージが違うんですよね。

 音楽面で言うと「セクシー・ナイト」の作曲と編曲を手掛けたのは、後にビーイング・グループの創業者となる長戸大幸なんです。この曲は、もんた&ブラザーズの「ダンシング・オールナイト」のシチュエーションからインスパイアされているんですけど、この手法はビーイング的な発想の原点になります。その前にはヴィレッジ・ピープルが流行った時、洋楽のフリをして出したディスコもののスピニッジ・パワー「ポパイ・ザ・セーラーマン」などもやっていて、つまりメロディーではなくシチュエーションを換骨奪胎するという方法論をビーイングは推し進めて行くんですよね。その後もTUBEならサザンオールスターズ、B'zならBOOWY、倉木麻衣なら宇多田ヒカルというように。でも、それって歌謡曲的には当たり前の方法論なんです。ただフォロワーって、まず成功しないんですが、ちゃんと当てちゃうところがスゴいです。その源流の一つが三原順子なんですね。

 あとヤンキーアイドルの元祖も彼女ですよね。よく先行する不良系のアイドルとして山口百恵が引き合いに出されますが、70年代のアイドルにヤンキーという言葉は使用されていなかったと思うんです。三原順子は歌手デビュー当時から歌が上手いですけど、歌声は松田聖子に比べて細くてデリケートな印象です。それがヤンキーの大好きなマイナー8ビート調の曲に映えるんですよね。


3位【小泉今日子「まっ赤な女の子」1983年5月5日発売】
 キョンキョンは、堀ちえみ、三田寛子、石川秀美、松本伊代、早見優、中森明菜などと同期で、いわゆる「花の82年組」の一人ですが、その中では出遅れた人なんですよね。というのもデビュー曲の「私の16才」と2作目の「素敵なラブリーボーイ」ってリメイクなんです。彼女の所属しているバーニングプロダクションって昔から版権ビジネスに力を入れていたので、過去の曲の再生にこだわるんですよ。でも80年代に入って時代も変わり、リメイクでデビューするのは保守的になってしまった。デビュー当時のキョンキョンってキャラが立っていなかったし、花の82年組の中で唯一、名前に“子”が付いているのも70年代を引きずった印象です。ところが5作目のシングル「まっ赤な女の子」でイメチェンして、いきなり保守から革新に変わったんです。そのキッカケを作ったのが、この曲からキョンキョンの担当になった田村充義ディレクターで、過去に東京ロッカーズやスペクトラムを手掛けた新人ディレクターだったんです。作曲は筒美京平なので曲自体はロックじゃないんですけど、そういうテイストを注入していってブレイクしたんですよね。もともとキョンキョン自身はロックな人じゃなかったらしいんですけどなりきる人みたいで、これ以降はシングルごとにイメージを変化させていく。彼女の歌声もオーソドックスで癖がなくて、いろんな曲に染まりやすいんですよ。だからキョンキョンのモノマネをする人って珍しいじゃないですか。『あまちゃん』でいえば「潮騒のメモリー」を歌ってもゴースト歌手みたいに違和感がない。40代の彼女が10代になりきって歌うってスゴいことですよ。


『80年代アイドル カルチャー ガイド』


なんてったってアイドルなんです

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