フィリピーナのつぶやき 第9回

フィリピン、“トンボイ”のやきもちは普通のピーナの3倍!?

sexydrag0618fla.jpg※イメージ画像 photo by steffiekeith from flickr

 「マヤバンッ」「マヤバンッ・モ!」と冗談でなく言われたら、ちょっと考えたほうがいい。生意気、生意気な奴!、あんた、生意気!、という意味だ。

 なぜ考えたほうがいいかというと、相手のピーナも(マヤバン)な場合が多いからだ。

 “人は鏡”と昔の人は言ったそうだが、まさにその通り。優しい人には優しく、厳しい人には厳しく、生意気な奴には生意気にと、鏡のように接してしまうのが普通だ。そして、己も反省をして直していく。

 が、ピーナの生意気は直らない。だから考えたほうがいい。少しでも直る気配があればいいが、生意気さを消すのに、どう付き合ったらいいかを考えたほうが懸命だ。

 どうしてかなぁと、一時観察眼を鋭くして考えたことがあるが、結局は自分の見栄なのだと思う。タチが悪いのは、それをプライドだと思い違いをしているところにある。隣の人よりも大きな家を、いい車を、出かけるときはニセモノでもブランドのバッグを。化粧も服装も他人よりきれいに見えるようにと。

 みんながみんな、自分が一番だと思い込んでいるから、誰も見てやしないのに、自己満足しているだけなのに気づいていない。それが、平均的ピーナである。

 だから、自分より上をいっていると思ったら、(マヤバン)な奴だとなる。つまり、同性への対抗意識からか、そういう気持ちになることが多いようだ。男性に対して言った場合、これもやはり自分の欲求を満たしてくれないことに対して言う場合や、叱られたときに口に出すことが多い。自分のプライドを傷つけられたと勘違いをするわけだが、内面的な女性のプライドではない。外見を飾る見栄を指摘されているに過ぎない。

 知人の日本人家庭のメイドは、若いピーナである。言われたことだけはこなし、余計なことは一切しない。「掃除をしろ」と言われなければしない。「食事を作れ」と言われなければ作らないというふうに。

 言われないからやらない、と生意気である。

 このピーナ、実はトンボイといわれるオナベちゃんなのだ。ちなみに、オカマのことはバカラという。このオナベとオカマがフィリピンには多い。異常と言っていいだろう。外を歩けば、100mも歩かないうちにオナベとぶつかり、オカマの笑い声を聞くことができる。

 自称、厳格なカトリック国であるのに不思議である。神は男と女を造ったのであって、オナベとオカマは造っていない。神の子ではないはずなのに、オナベでもオカマでも着飾って教会へ行くのだ。習慣的宗教者であって、聖書も読んでないだろう。

 それはさておき、その生意気なオナベ・メイドだ。

 髪をネイビーカットのように短く切り、膨らんだ胸にはさらしのようなものをきつく締め付け、肩で風を切って歩く。もちろん、男の言葉遣いだ。

 知人の日本人に言わせると、「あれは女だ。ただ自分が女なのが嫌いなだけだ。男のほうが便利だと思ってるだけ。言ったことだけやってくれれば充分だから雇ってるだけだよ」ということになるが…。

 フィリピンのオナベやオカマは、2種類ずつ生息している。自分の性に嫌気が差してそうなるのと、同性に対して愛や情を感じてそうなってしまうのと2種類だ。営業的オカマ・オナベは極端に少ない。

 ときどき、彼(?)をからかっている。「女でも捜しに行くか?」「彼女と上手くやってるか?」などなど。

 本人は、心身ともに健全な男と自分自身に思い込ませているから、本物の男よりも勢いづいて乗ってくる。何だこのリアクションは?…と思うほどだ。

 こいつには彼女がいる。もちろんレズビアンということになるわけだ。

 一度、その彼女に会ったことがあるが、大人しくてキュートな女の子だ。レズビアンにしておくのはもったいない。もっとも、もう少し経てば男に変わるであろうが、男に触れてもらう前に、オナベで練習しておくつもりだろう。

 フィリピンのレズビアンには、2種類あるような気がする(世界的かな)。女と女のそれと、トンボイのようなおとこ女と女のそれだ。

 このトンボイメイドはおとこ女であるから、男性経験が無い。つまり処女だ。処女のおとこ女が、女を誘ってレズビアンセックスにふける。

 女と女は、美型美肌がおっぱいやお尻を絡み合わせるのを想像すると、なんとなくエロチックであるが、トンボイと女は醜さしか想像できない。

 だからこのトンボイメイドに、からかいついでに質問したことがある。「どうやってやるんだ?」と。返ってきた答えは、

「あんたたちと同じだよ。」

 (?)…同じわけないだろう。肉体的構造も精神的満足度も違うだろ。

 だが、とても女とはいえない身体つきで、男の身体でもないトンボイは、何の疑問も持たずに同じだよと言った。「普通にやるだけだよ」と生意気な顔をして言う。(普通じゃないんだよ、お前は)

「足りないもんがあるでしょ?」
「なに?」
「…おちんちん!」
「必要ないよ」
「必要でしょ…おんなには」

 抱き合ってキスをして、指と口を使う。男と同じように、クリトリスを舌で転がし、亀裂を舐め上げてやるんだ。あたしはブリーフ(?)も脱がないし、彼女はあたしには触れない…だって。

 ブリーフは脱ぐために履いてるんだ。

「あんたはどうなんだ? 気持ちいいのか…濡れてくるんだろ」
「いいんだよ、あたしは。男だから」
(違うでしょ。そんなに腹が出ていて、筋肉はないし肌はおんなそのもの)
「自分でやってれば、いいんだよ」
(男のセンズリとは違うの)

 俺には、とても受け入れられないトンボイの思考だ。女であることを完璧に拒否しようとしている。女であることを自覚し、女を愛するレズビアンは、まだ話がわかるけど…。

 トンボイもバカラも興味のある世界ではないが、気に入ったピーナにトンボイの友達がいないことだけは、確かめたいな。トンボイのやきもちは、普通のピーナの3倍にはなる計算になるし。恋敵は、男と女とトンボイだ。生意気なトンボイは、それで傷害事件を起こしたりもする。少し(マヤバン)なピーナは可愛いところがあるが…トンボイは、別世界の生き物のようだ。
(文=ことぶき太郎)

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