演出家・マッコイ斉藤氏が「口説いておけばよかった」と地団駄を踏んだ、元恵比寿マスカッツ・西野翔が驚愕のフォトブックを発売!!

show06170A.jpgマスカッツを卒業してやりたいことがますます広がったという彼女は、美の追求も怠ることはない!(撮影:渡辺伸次)

──お疲れ様でした。私も翔ちゃんの真横の保護者席で観させてもらって感激しました!

西野:本当にたくさんの方が来てくれて嬉しかったですね。早速、読んでくれた方から感想が寄せられていて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。

──素晴らしい写真の数々に圧倒されました。好きなカットは?

西野:個人的に好きなのは「裸ヘッドフォン」。テーマとしてこだわったのはバスルームのカットです。あえて自分の体を汚しているのは、裸の仕事をやる上で、もがき苦しみながらも美を追求する自分の姿を表現しました。これを撮ってくれた渡辺伸次さんは普段はアーティスティックな写真を撮られている方で、私もその世界に入ってみたいと思っていたんです。ですから、この機会に私から熱望して撮って貰ったんですよ。

show061703.jpgこれが本人お気に入りのカット『裸ヘッドフォン』。27歳とは思えない透明感!
(撮影:荒井大洋)

──これまでのAV女優本とは違ったテイストですよね。写真もセックスを連想させるものではないし、文章もいわゆる暴露ではないですからね?

西野:そうなんですよね。オカズになる写真ではありませんし、暴露ではないのでそういうものを期待してる方からすると、あけすけな内容すぎて異質に思うかも。迷う部分もありましたよ。AV女優である私が、こういった内容のものをやってもいいものかと。だから、これは私の挑戦でもあるんです。

──もしかすると、ちょっと怖かった?

西野:はい。アート的だったり、メッセージ的なものをどう受け取ってもらえるのか想像もできませんでしたから。これがダメだったら、AV女優全体としてヌケないものに価値がないと言われたも同然だと思っているんです。私自身、AV女優だけど、それ以外の部分も評価してもらえるのかどうかをテーマに掲げて活動してきましたから、この本の評価でその結果がでるのではないかとも思ってます。

──ファン層の広さにも驚かされました。

西野:そうですね。2店舗とも小さい女の子が来てくれて、私の事を好きだと言ってくれたのが嬉しかったですね。これはきっと、私がというより、そういう時代になったということなんじゃないかと思っています。AV女優はエロくて、可愛いだけじゃダメで、どんな層にも受け入れられるような魅力的な個性がないと生き残れないっていう象徴かなって。

──これまでのAV女優は消費されていく存在でしたけど、これからは発信する側にたたないといけないということ?

西野:そうです。エッチしたいだけ、お金を稼ぎたいだけなら話は別ですけど、AVを通じて何らかの表現をしたいと思うなら、自分が電波塔にならないとね。

showDSC_9411.jpgサイン会終了直後の翔ちゃん。疲れをみせるどころか意気揚々とお話してくれた。
showDSC_9342.jpgちなみに、こちらはサイン会開始直後の様子。机の上の他、背後にも在庫の山があるのだが、これが数時間後には完売するのだ! 改めて見てもスゴイ数だ!!

──4万字インタビューでは、本当にいろいろお話してくれましたけど、思いは全て語りつくせましたか?

西野:ん~と、現状報告は済ませました。って、感じですかね(笑)。

──今回は、ほぼ全文掲載させて貰っているんですけど、やむなく1部をカットしてるんですよ。でも、実はカットする前の全文を読んでくれた人が1人だけいるんです。

西野:そうなんですか?

──はい。マッコイ斉藤さんです。翔ちゃんが帯を書いて欲しいと直談判されたそうですが、その後、マッコイさんから編集部に連絡があって「書いてもいいけど、記事を全部読ませてほしい」って。

西野:知らなかったです~!! 帯を頼んだ理由は、私たちマスカッツメンバーをAV女優のままで終わらせないと言って育ててくれた先生だからなんです。ところが、できてきたらこんな内容だったので、まぁ恥ずかしかったですね~。番組内では「気持ち悪い顔しやがって~」ってののしられてましたからね(笑)。

showDSC_9403.jpgサイン会に訪れたファンたちの話をするうちに感激がよみがえってきたのか、笑顔の瞳の奥には涙が…。

──それだけ熱意がこもっていた証ですよ。封印していた過去の話や親友の裏切り、失恋話も凄いんですけど、今回はその他に「情熱」や「使命」や「プライド」など、私が用意したこっぱずかしいテーマに関しても、全て本音で話してくれましたからね。ここまで話すのは勇気がいったでしょ?

西野:そうですね…。でも、いつかはお話したかったんです。私達AV女優って、デビューからキャラ付けされてしまって、自分というものを出す機会を与えてもらえないんですよ。ここまで話せたのは、そういうキャラを壊してくれた『マスカット』のお陰なんです。自分がマイナスだと思ってる面を出しても愛してもらえるんだと教えてもらったから。そして、ここまで話したことは、そういうメッセージをみんなに伝える意味もあるんです。

──みんなというのは、他のAV女優のみんな?

西野:そうです。それから、自信がなくて自分を繕ってしまう人達もみんなです。そういう人たちにもぜひ読んでいただきたいです。

show061702.jpgコスプレイヤーの聖地・秋葉原での撮影は朝と夜の2回行われた。(撮影:荒井大洋)

──最後にメッセージをどうぞ!

西野:9年やってきて、このようなチャンスを与えてもらえたことを感謝してやみません。これを読んで少しでも興味を持ってくれた方は、ぜひ手に取ってもらいたいです。今までの人生を詰め込んだ1冊ですから!!

showDSC_9384.jpg誕生日が近い翔ちゃんの為に、サイン会終了後にファンたちがバースデーケーキを用意して祝福。突然のハッピーバースディの大合唱に目頭を熱くする翔ちゃん。

 長いイベントを終えた後に話を聞き、感無量の表情で店を出た彼女には、実はまだエピソードが残っている。売り切れのため本を購入できずサイン会に参加できなかったファンたちが、店外で、出待ちしていたのだ。これには翔ちゃんもビックリ。謝罪と感謝を意を述べた後、20人以上いたファン全員と握手を交わし、ここでようやく出版記念イベントの大団円を迎えたのだった。

 AV業界一熱い女・西野翔。彼女の第2ステージは今始まったばかりである。
(取材写真・文=文月みほ)

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