江角マキコ主演『ショムニ』10年ぶり復活も不安の声

20130521esumi.jpg※イメージ画像:『「ショムニ」オリジナ
ルサウンドトラック Vol.2』

ポニーキャニオン

 7月スタートの連続ドラマ枠で『ショムニ』(フジテレビ系・毎週水曜日22時放送予定)が10年半ぶりに復活することが発表された。『ショムニ』は江角マキコ演じるOL・坪井千夏がミニスカ制服に身を包み、「楽しくない仕事は仕事じゃないんだよ」などの名言を繰り出す小気味良いキャラクターがウケて大ヒット。1998年放送の第1シリーズは平均視聴率21.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、続編3本、SPドラマ3本を放送する人気シリーズとなった。

 新作は江角以外のヒトクセある庶務二課の同僚たちのキャストを一新、ベッキー(29)、本田翼(20)らフレッシュな顔ぶれを揃え、主演の江角も「アベノミクスで日本経済復活の兆しがうかがえる今夏、『ショムニ』も復活させていただきます」と意気込みを語る。

 だが、ネット上では早くも不安視する声がチラホラ。「時代が違う」「今さら焼き直しは見たくない」「フジはもうリメイク、続編しか作れないのか」など、どれも手厳しい。2002年の第3シリーズを「ショムニFINAL」、2003年のスペシャルを「ショムニFOREVER」と完結をにおわせておきながらのシリーズ復活に否定的な意見もあるようだ。

 また、フジテレビドラマ制作センター兼編成部の石井浩二氏は、「こんな時代だからこそ、今の会社組織を舞台にした痛快コメディが必要」だと企画意図を説明しているが、過去作品の放送時とは違い、正社員が減り派遣やフリーターなど非正規雇用が増えた現代ではドラマ設定に無理があり若者が共感しにくいのでは、との指摘もある。

 さらに、配役に対する疑問の声も。過去の同作は戸田恵子、宝生舞、森本レオなど脇を固める芸達者で個性的な俳優達が作品の魅力を際立たせていたが、新キャストの演技力に疑問符がついているようだ。ベッキーはドラマ出演経験こそ豊富なもののスポット的な役での出演が多く、大人気モデルから女優へ脱皮を図りつつある本田翼にしても演技力を買われての起用ではないだろう。どうしても“話題先行”でのキャスティングのように見えてしまいがちだ。いずれにせよ、続編の宿命として前作とは比較されるため、新加入の面々に下馬評を覆す奮起を期待するしかない。

 視聴率3冠など“メディアの王者”に君臨してきたが、一昨年に日本テレビにその座を奪われ、今年に入ってからは民放4位にまで落ちるなど凋落の一途をたどっているフジテレビ。つい先日、『ロングバケーション』や『踊る大捜査線』などの人気ドラマを手がけたプロデューサー亀山千広氏(56)が次期社長に抜擢されると報じられたが、このことにより今後はドラマに力を入れ、“視聴率回復の足がかり”とする可能性は高いはずだ。だが、今回の『ショムニ』にせよ、浅野温子(52)と浅野ゆう子(52) のW浅野往年の大ヒットドラマ『抱きしめたい!』の復活(秋放送予定のスペシャルドラマ『抱きしめたい!Forever(仮)』)にせよ、過去の人気コンテンツに頼る手法は、手堅い数字(視聴率)は期待できる反面、マンネリといったイメージ悪化につながりやすく、局全体のダメージにもなりかねない気がするのだが…。
(文=ぶり)

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