乱交パーティ潜入取材! 貸別荘で激しく乱れる真面目な大人たち

 どうやら、Sっぽい本性を彼氏の前では隠しているらしく、2人は絶妙のコンビネーションで言葉攻めと愛撫を繰り返してきた。1時間近く、完全にオモチャにされ、ようやく解放された記者が、小部屋から出ると、主催者の女性から声をかけられた。

「○○さん、縛りってできます?」
「え? 縛りってSMの?」
「ええ。参加者の中に、一度縛られてみたいって女性がいるんだけど、経験のある男性がいないんです」

 記者も本格的な縛りの経験なんてないが、仕事柄、そういった場面を見学したことはあるので簡単な亀甲縛りの真似事ぐらいならできるかもしれない。ということで、大広間に行くと、そこにいたのは、見学者を示す赤い腕輪をした大学生の女の子だった。思わず「え? 大丈夫なんですか?」と聞いたところ、「Hは出来ないんですけど、縛られてみたいなって願望はあるので……」とのこと。

「プライベートで縛られたことはあるんですか?」
「いえ、手首を軽く……ぐらいはあるんですけど…」

 主催者の配慮もあり、彼女は下着を着けたまま縛ってあげることになったが、その様子を参加者がみんな見ているという、一種のショータイム的な時間になってしまった。彼女のほうも恥ずかしそうにしていたので、主催者にアイマスクをつけて貰い、いよいよ部屋の中心へ押し出される。結び目を作ったロープを首に回し、軽く縛っていくと、キュッ、キュッという音がする。

 異変が起きたのはそのときで、それまで恥ずかしそうにしていた彼女が、ロープの音がするたびに、吐息が荒くなり、生唾を飲むような仕草をどんどん大きくしていった。ロープが乳房にかかる頃には、悩ましそうな声を隠すこともなく、さっきまでの照れた雰囲気はみじんもない。ふとパンティを見ると、まだ触ってもいないのに、お漏らしでもしたようなシミが広がっている。参加者が一言も発さずに彼女の様子を見ている。その中の一人が「これって縄酔いってやつ?」と声を出すと、彼女はガクガクと膝をふるわせた。

「縄酔いしちゃったの?」
「……い、いえ……」
「でも、めちゃくちゃあつくなってるよ」

 そう言いながら、縄の結び目をパンティ越しに彼女の敏感なところに当てて、わざと音がするように絞って刺激した瞬間、「らめぇっ!」という言葉とともに、液体がこぼれ落ち、数秒後彼女自身も崩れ落ちたのだった。

 その女の子を個室に運んだあと、ビールを買い出しに行くという主催者に同行して、軽くインタビューをさせてもらった。

──どうして、このサークルを?

「まあ浮気とか不倫とかをきっかけに事件が起きることって多いじゃないですか……私、新聞社にいたとき、そういうコネタ的な事件を担当してて、当事者や当事者の周辺の女性から、いろんな話を聞いていたんですよ」

──性の不一致とかそういうやつですか?

「それよりも、経済面ですね。結婚条件の優先度が経済力になってしまっているから、性格の不一致とか、DVがあっても別れることもできない。そういうケースが多いんです」

──でも、それこそ出会い系サイトとかありますよね?

「今のネットって本当に怖いんですよ。ヌード写真を流失させたがる男性もいる、不倫や浮気を病的に嫌い、そういうことをした人を暴きたがる人もいる。もちろん病気だってあるし、女性が望む距離感を理解出来ない人もいる。周囲の目が気になる、あるいは社会的な立場や地位のある普通の女性が性欲を発散できる場所なんてないんです」

──それでサークルを立ち上げた?

「正確には立ち上げたのは私じゃないんです。学生時代の友人が始めたんですけど、一昨年結婚して海外にいってしまったので、ちょうどそのころ離婚した私が引き継いだって感じですね」

 主催者も学生時代は派手に遊んでいたようだが、堅い仕事について何年か経つうちに、今の性のあり方というものが、潔癖になった反面、非常に歪んできていることに気づいたそうだ。このサークルは、彼女にとっては、一つの時代への抵抗みたいなものなのかもしれない。

 翌朝、朝食を終えた参加者たちは、最後に身分証明書や社員証のコピーを焼却して、さわやかな笑顔で帰って行った。前夜の乱れきった行為などつゆほども感じさせないその姿に、記者もまた今の時代の性の歪みを感じないではいられなかった。
(取材・文=柴田謙信)

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