「笑顔は共通ですよ」吉高由里子、韓国ドラマ出演で日韓の橋渡し役となるか

 ヒロインを務めた映画『僕等がいた』(前編・後編)が観客動員300万人を突破するヒットとなり、その他の映画やCMでも活躍著しい女優の吉高由里子。Twitterでも100万人以上のフォロワーを集めるなど、今最も輝いている存在の一人と言える。しかし、そんな吉高に、日本と韓国の間でこじれている竹島問題が思わぬ形で飛び火している。

 8月末に吉高が韓国の連続ドラマ『ヴァンパイア検事2』に出演することが発表されると、ネット上では日韓両国のユーザーから非難の声が多発。日本からは「今、韓国のドラマに出るなんて反日行為」「もう日本に戻ってくるな」などの強いトーンから「なぜわざわざこの時期に……」とイメージの低下を心配する声も。韓国側からは「なんで日本人を使うんだ」「独島を観光させてやる」など、やはり政治がらみの怒号が相次いだ。吉高は加熱する日韓関係に巻き添えを食い、まさに板ばさみとなっている状態だ。

「その少し前に、長澤まさみが台湾の連ドラに主演することが発表されましたが、こちらは親日国ということもあって歓迎ムードでした。吉高の韓国ドラマ出演は、確かにタイミングは悪いですが、本来、政治的な問題とエンターテインメントは分けて考えるべきで、ネット上の声も感情的なものがほとんど。作品そのものの評価で判断してほしいですね。そもそも、同作は韓国ケーブルテレビ史上最高視聴率を記録した大人気ドラマの続編。そこにキャスティングされたのは光栄なことだし、日本で大ブレイク中に新たな挑戦をするという彼女の心意気も称賛されるべきでしょう」(芸能ライター)

 吉高が演じるのは日本人の人気占い師・ルナで、迷宮入りしてしまった事件解決のため、捜査に協力するという役どころ。韓国のドラマに出演するのは初めてだが、2008年に韓国人のクァク・ジェヨン監督の映画『僕の彼女はサイボーグ』に出演しており、2010年にも日本・韓国・タイの合作映画『カメリア』で韓国人俳優ソル・ギョングと共演している。

「撮影現場では、危険がともなうシーンでも代役なしで完ぺきにこなし、待ち時間にはスタッフや共演者に韓国語で話しかけてムードメーカーになっていたとも伝えられています。彼女自身は真摯な姿勢で取り組んでいるといえるでしょう。また、切れ長の目に色白、黒髪というアジアンビューティーを絵に描いたような吉高ですから、演技次第では韓国での人気が上がることも考えられます。そうなれば“熱しやすく冷めやすい”と言われるネットユーザーですから、コロッと手のひらを返すこともありえますよ」(同)

 撮影期間中と思われる8月中旬には、Twitterで「海外の仕事では毎回壁にぶち当たって心砕けてからの心が強くなってる気もします。他国の人同士で苦難もあるけど一つのことを協力し合って完成に近づけている毎日に触れている今は幸せです。笑顔は共通ですよ」と、前向きにつぶやいている吉高。ドラマは9日から放送されているが、登場するのは16日放送の第2話からになる。その独特な雰囲気と飾らないキャラクターで、日韓の橋渡し役となってくれれば最高の結果になるのだが……。
(文=津本ひろとし)

men's Pick Up