暴行・撮影死…動物タレントたちの悲惨な扱い

zeppei0907.jpg※イメージ画像:CD+DVD「ボクにできること」ERJ

 先月、朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の人気コーナー「スマイルキャラバン」で歌手のダイスケ(24)と全国を旅していた兄弟犬「ZIPPEI」が死亡し、ファンに衝撃を与えた。飼い主が犬たちを残して車を離れている間にエアコンが停止し、兄弟を含む7頭が熱中症で死亡したとされている。ダイスケは一人で旅を続けることを発表しているが、死亡事故の以前にZIPPEIが声帯を除去していたことも明らかになっており、ファンからは「最後まで番組の犠牲になった」という批判が殺到。番組の打ち切りを求める声もいまだに強いようだ。

 動物虐待ではないかとの見方が起きるほどショッキングな事件だったが、テレビ業界では“動物タレント”が過酷な撮影を強いられることが珍しくない。

 可愛らしい動物たちが出演する番組はほのぼのとしているが、その舞台裏は壮絶だという。

「動物は絶対に数字がとれる鉄板のコンテンツですが、スケジュールが押しているのに思うように動いてくれないなどトラブルも多い。そういう時は言っても分かりませんから、体で分からせるしかない。テレビでは絶対に映しませんが、虐待スレスレの暴力で言うことをきかせることもあります。ある番組の人気動物タレントは、スタッフに叩かれすぎて頭から血を流し、それを拭いながら撮影を強行していた。あれでは人間に対して恐怖心や敵意を抱いてしまうでしょう」(テレビ関係者)

 犬などは出演シーンの前にスタジオの裏で大声で吠えてしまうことがあるが、そういう時も厳しい“しつけ”によって大人しくさせるようだ。

 映画やドラマでも動物タレントが虐待されるケースがあるという。

「かつては動物が死ぬシーンを撮影する場合、本当に殺してしまうこともよくありました。動物プロダクションにとっては、死んでも代わりはいくらでもいる。制作側にとっても、面倒な手間をかけずにリアルなシーンが撮影できます。今にして思えば可哀想ですが、当時は撮影スケジュールが忙しく罪悪感を感じるヒマもなかったですからね……。最近はマスコミにバレると問題になるので、殺すことはありません」(映画関係者)

 往年のカルト映画『太陽を盗んだ男』の長谷川和彦監督(66)は、同作のネコが死ぬシーンで動物プロダクションから「殺しましょうか? 殺してもいいんですよ」と何度も勧められたと証言している。「絶対に殺さない」と言い返した長谷川監督は、ネコをマタタビで酔わせて見事に撮影したが、当時の動物タレントの悲惨な扱われ方が伝わってくるエピソードといえるだろう。

 可愛らしい人気者としてテレビで活躍する動物たちだが、その裏には悲惨な現実があるようだ。動物番組で頬を緩ませる視聴者は多いと思うが、この事実を知ってしまうと笑顔で番組を見れなくなってしまうかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

men's Pick Up