【連載】本多圭のオトコとオンナの芸能恥話

ブラザー・コーン、暴力団排除条例“密接交際者”芸能人第1号に認定か!?

bubblegumbrother0621.jpg※イメージ画像:『DA BUBBLE GUM BROTHERS SHOW~多力本願~』
NAYUTAWAVE RECORDS

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、芸能界の裏側に横たわるオトコとオンナの深い業を掘り起こします。

 実在する暴力団幹部の名前を出して、元マネージャーを脅迫したとして「バブルガムブラザーズ」のブラザー・コーンこと近藤信秋が、6月12日に警視庁町田署に暴力行為法違反容疑で逮捕された。筆者は、近藤容疑者が「暴力団排除条例」による芸能人第1号の“密接交際者”として認定されるのではないかと注目している。

 昨年10月に東京都で暴排条例が施行される直前から、マスコミでは、過去に暴力団と交際があった芸能人の名前が実名で報道され、テレビ局が作成したといわれる「BGリスト(ブラック芸能人の略)」が出回ったり、NHKは独自に指針を発表したりした。

 暴排条例では、暴力団と親密な関係を築いている人物を警察が“密接交際者”と認定・公表することで、社会的制裁が下されるようになっている。この法律には是非があるだろうが、芸能人が密接交際者に認定されでもしたら、タレント生命は絶たれてしまうだろう。

 その“芸能人・密接交際者”第1号は、去年8月に暴力団との黒い交際を認めて引退した島田紳助がなるとか、過去に暴力団と黒い交際が発覚している細川たかしが本命だとか、勝手なウワサが流れた。しかし、いざ蓋を開けてみると「大山鳴動して鼠一匹」状態。それもそのはず、暴排条令は施行前の暴力団と交際歴は問わないという“ざる条令”だったのだ。

 それを知って、暴力団との関係がズブズブだった芸能界の実力者は、ホッと安堵の胸を撫で下ろして、日本レコード大賞といった賞レースやNHK紅白歌合戦の出場者工作に奔走した。警視庁組織犯罪対策第三課の関係者は、「細川たかしが(紅白に)選ばれたんだから、NHKは暴排条例を舐めてますよ」と激怒していた。しかし、警察も本気で取り締まる気があるのか怪しい。

 一般人でも、これまで密接交際者として認定されたのはわずか2件。施行から1年も経過していないのに、暴排条例は風化しつつあった。そんな時に近藤容疑者が、暴力団幹部と元暴力団でスポーツマネジメント会社を経営するKの名前を実名で出して、元マネジャーを脅迫したとして逮捕された。マル暴捜査関係者は、「近藤が出した暴力団幹部と彼は直接交際はないみたいですが、組員とは親しい関係にあるという情報もあります。ただ、所属事務所は『(事件発生時)近藤はかなり酔っていた』と言い、被害者と言い分が食い違っているので、今回の容疑では嫌疑不十分で保釈される可能性は高い」と語っている。

 だが、たとえ保釈されたとしても、暴排条例としては別問題だ。暴力行為がなかったとしても、暴力団との密接な交際は許されないというのが、この条例の肝のはず。担当する組対三課は、近藤容疑者が名前を出した暴力団幹部、もしくはそれ以外の暴力団関係者との交際の有無を徹底的に捜査すべきだろう。それもしないのなら、有名無実化したこの条例は、当初の批判にあった通り、警察の権益確保のための悪法と言わざるを得ない。

 今回の近藤容疑者の事件は、暴排条例を改めて見直すいい機会なのかもしれない。
(文=本多圭)

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