韓国推しが絶好調!? 『ぐるナイ』『めちゃイケ』韓国SPで高視聴率獲得のワケ

shoujojidai0402.jpg※イメージ画像:『The 1st ASIA TOUR “Into the new world”』/少女時代/SM Entertainment

 スポーツ新聞やネットニュースなどで取り上げられるほど注目を集めたナインティナイン・岡村隆史と韓国のアイドルグループ・少女時代のバラエティ番組共演。岡村による韓国推しや番組の私物化を批判するネットユーザーらが多い中、先月31日に放送された『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)は、19時から番組の終わる21時半までの平均視聴率で14.8%を獲得。各局ともに特番を揃えた中で、同時間帯トップとなる数字を記録した。

 『うわっ!ダマされた大賞2012 4時間超SP 第1部』(日本テレビ系)や『オールスター感謝祭’12春』(TBS系)といったラインナップの中にあって『めちゃイケ』の15%近い数字はさすがと言えるものだ。特番ひしめく中でそれぞれが痛み分けをしたとみても、その中で競り勝った意義は大きい。2011年の年間視聴率三冠に続いて年度視聴率三冠も果たした日本テレビに、かろうじて一矢報いた『めちゃイケ』の奮闘は称えられるべきものといえる。

 しかしネットユーザーらは、たとえ『めちゃイケ』が堂々たる視聴率を叩き出しても、その批判を止めない。今回の放送でも、多くの関係者や一般の視聴者が数字的には合格点とみても、彼らは「なんだ。歴代の学力テスト企画で最低の数字じゃねえか」と矛を収めない。実際の過去の「学力テスト企画」の際の視聴率を取り出して、31日に放送された『めちゃイケ』が歴代最低記録を更新したという。そして彼らはその理由として「少女時代がいらなかった」と主張する。確かにそうした視点で見れば歴代最低と言えるのかもしれないが、そもそもいくら面白い企画でも、ただ人を変えただけでは視聴率は下がるに決まっている。少女時代云々というより、未だにただ人のバカさ加減を楽しむような企画に固執している番組関係者の姿勢こそ批判するべきだ。

 そんなネットユーザーらの岡村に対する批判は主に2種類ある。1つは単純に韓国の手先のように韓国文化を褒めちぎる岡村に対するものと、もう1つは、韓国好きは構わないが、それを理由に日本の文化を蔑むなというもの。特に後者の意見は、個人の好き嫌いを許容している分、多くのネットユーザーらに共通しているものだ。さらに加えるならば、ネトウヨと呼ばれる人々による頭ごなしの岡村批判&韓国批判というものがある。

 しかし、そんなネットユーザーらによる“岡村の韓国ゴリ推し批判”もどこ吹く風の視聴率を獲得した『めちゃイケ』。3月22日に放送された『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)も、韓国料理を特集したゴチ企画で18.7%という高視聴率を記録。韓国というジャンルと共にナインティナインという芸人の人気が衰えていないことを証明している。やはり韓流云々という批判は、一般の視聴者にはそれほど関係のないことなのだろう。

 また、ナイナイと韓流関連の番組が高視聴率を獲得した理由には、ただ彼らの人気があるほかに、やはり話題性というものが考えられる。つまり、「また岡村が変なことしてる」という岡村批判も立派な宣伝効果があったということだ。冒頭で記したように、31日に放送された『めちゃイケ』は、その放送前から「岡村&少女時代」という組み合わせにより、スポーツ新聞に取り上げられ、ネット上で話題を呼んでいた。その中身は、岡村を批判するものであっても、根っからの嫌韓者や生理的に岡村を受け付けないという人でもない限り、多少は番組を気にしたのではないだろうか。そしてなにより、放送後ネット上で岡村と少女時代の話題を取り上げるには、その番組を見なければならない。たとえそれが軽蔑や罵ることを目的とするためであってもだ。

 テレビ局による韓流偏重放送を批判するには、その証拠を掴むため、テレビを見なければならない。すでにテレビなど終わったコンテンツだと言い張り、テレビなど見ないという人々も多いが、そうなると彼らはテレビを批判する権利を失う。しかしネット上にはびこるテレビ批判は、やはりテレビの内容をネタにして展開されているのが現状。ネットユーザーらは、批判をするためには見なければならないという矛盾する状態を生み出してしまった。彼らがその矛盾する状態に今後どう対処するのかわからないが、韓流偏重放送に対する非難の声が沈静化する気配はない。まずは今の視聴率主義的な考え方を、その計算方法を改めるなりして根本的に変化する必要がある。

 しかし、そうは言っても、現状、テレビ番組における視聴率は絶対的なもの。そして今のテレビ業界全体が慢性的な視聴率低迷にあえいでいるもまた事実。そう考えると、テレビ関係者たちはネットユーザーらの批判すらも操り視聴率に転換しようとしているのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
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