【連載】本多圭のオトコとオンナの芸能恥話

ビートたけしもお気に入りの銀座のクラブに国税のメス?

※イメージ画像:『女たち』/ロッキングオン

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、芸能界の裏側に横たわるオトコとオンナの深い業を掘り起こします。

 今月7日、輸入豚肉の脱税事件で東京地検特捜部に逮捕された食肉輸入ブローカーの柴田謙司容疑者の脱税した金が、銀座8丁目の大箱クラブ「O」に流れていることが明らかになって、Oにも国税のメスが入るのではないかと夜の銀座は大騒ぎだ。

 Oの前身は、銀座8丁目にあったクラブ「H」。クラブといってもバーに毛の生えた小さな店だった。筆者はあるいきさつがあって、Hに通うようになった。その後、Hは8丁目のゴルフビルの斜め前に移転。店も広くなって繁盛していた。しかし、客筋は暴力団関係者が多く、オーナーのAママの強引な商法に嫌気がさして、足が遠のいていった。その後、筆者の耳に入ってくる情報は、姉妹店を出したとか、新たに鉄板焼き屋やステーキハウス、カラオケクラブを展開し始めたとか、不景気な銀座には珍しく、景気のいい話ばかりだった。2年前には、8丁目の並木通りに面している通称「ポルシェビル」と呼ばれているクラブビルの3階に、約100坪といわれる銀座では最大の大箱クラブOをオープンさせた。

 昨年の夏、明石家さんまの誕生日がOで開かれて、ビートたけしが参加。それ以降、たけしが馴染みになったこともあり、筆者も2度ほど出かけた。その時、店のスタッフに「ママはどこにそんな資金があるの?」と聞いてみた。スタッフは「みんな、銀行からの借り入れですよ」と答えた。今の世の中、クラブに融資する銀行はない。きっと、パトロンがいるのでは?と思っていたら、案の定、脱税で逮捕された柴田容疑者がパトロンだった。しかも。脱税した金を貢いでいたようだ。

 柴田は、輸入豚肉の脱税事件に絡んで、豚肉輸入販売業の堂谷邦宏容疑者と共謀し、計約9億5,000万円の所得税を逃れていたとして所得税法違反容疑で逮捕された。報道によると、その手口は、堂谷が柴田のペーパーカンパニー「オリジンフーズ」の名義で、台湾の代理店を経由してデンマークや北米産の冷凍豚肉を輸入。食品卸会社に転売して、稼いだ利益を分配していたというもの。

 クラブ関係者は、「柴田は銀座では金払いが悪い客として要注意人物だったんです。それが、OのAママと親しくなった5年くらい前から金払いがよくなったんです。ママも柴田の仕事先の台湾に頻繁に行くようになったんでおかしいと思ったんです。ママは柴田に頼まれて、台湾に金を運んでいたとウワサされています。その謝礼で、店を次々にオープンさせていたんじゃないかというんですよ」と指摘。Aママが脱税のお先棒を担いだという疑惑も上っている。

 すでにこの情報を国税当局も掴んでいて、クラブ関係者に聞き込みに歩いているそうだ。Aママには、積極的に捜査に協力し、真相を話してもらいたい。夜の銀座は、桜により先に、脱税騒ぎの花が咲きそうだ。
(文=本多圭)

『下世話の作法』

 
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