「女が嫌いなテレビのオンナ」でも男は好き!?

※イメージ画像 photo by Jeroen Lucas from flickr

 8日に発売された『週刊文春』(文藝春秋)に「女が嫌いな『テレビのオンナ』」という特集記事が載っている。興味深くページを開いてみれば、作家の岩井志麻子が、インチキ占い師に洗脳されているとウワサのオセロ・中島知子を非難し、浅香光代がAKB48に「三つ指ついて出直して来い」と叫んでいる。しかし、はっきりいって男は、岩井や浅香より中島やAKBの方が好きだろう。人それぞれ好みは分かれるものの、大半の男は同意してくれるに違いない。女が嫌いなオンナというが、その後の語句には「それでも男は好き!?」が続くのかもしれない。

 まず記事を読み進んでいくと分かってくることがある。それは、「女性というのは自分と似たようなタイプの女性を敵視する傾向にある」ということだ。

 たとえば、なでしこJAPANを浮かれ過ぎだと批判する宇津木妙子は、もちろんなでしこJAPANと同じスポーツウーマンだし、蓮舫に本名の「村田」を名乗れと突きつける旭堂花鱗は、講談師という職業柄からも蓮舫と同じように弁が立つ女性だと思われる。また、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)をグロテスクだと批判し、「あのロボットのような家政婦に魅力があるのか。私には理解できない」と指摘する評論家の金美齢も、テレビで辛らつなコメントを冷静に述べる彼女の姿はまさにロボット的だ。

 さらに冒頭に記した中島を非難する岩井は、自身が中島と同じ境遇(似非占い師による洗脳)にあったことを記事内で語っているし、AKBに活を入れる浅香も、若かりしころの自分を「チラリズムの元祖」と称し、舞台に客を呼ぶためにはなんでもジャンジャンやったらいいと断言する。

 同じような境遇にあったからこそ、声を大にしていえる批判というものもあるのだろう。その点を考えれば、これらの記事は批判というより活であり激励とも取れる。特に宇津木や浅香の言動は、なでしこJAPANの活躍を願いAKB48の未来を心配するものとなっている。また記事をよく見れば、ほとんどが目上の女性から年下の女性に向けられたもの。つまり、いうなればこの記事は「先輩から後輩への助言」ということだ。

 しかし、そんな特集の中で「本当に嫌いなんだろうな」と思わせる記事がひとつだけあった。それは作家の麻生千晶による檀れい批判だ。麻生は檀の魅力を「表面的」といい、「造作的にはたしかにお美しいと思いますが、もっと内面を磨き、真っ当な社会人としてのトレーニングを積まなければ、一人前の女優にはなれない」と断言する。麻生はその理由を、以前檀が出演したテレビ番組の中で、実の父の死について嘘をついたからとしている。つまり、番組を盛り上げるために、檀は、まだ生きている実の父をすでに死んでいるものとして扱ったというのだ。そんな檀に麻生は「限界」を感じ、「子供を生んで人生修行なさったほうがいい」と苦言を呈す。

 この麻生の言葉は、「女が嫌いなオンナ」というより、「私の嫌いな人物」といったほうが適切だろう。なぜなら麻生は檀の人間性を否定しているからだ。そこに檀の性別は関係ない。麻生にとっては男だろうが女だろうが、檀のような人の生き死にに対してのモラルのない人物は受け入れられないに違いない。

 ともかく、麻生の例は別にして、「女が嫌いなオンナ」というのには、まさに近親憎悪ともいうべき根があるように思う。男の側からすれば、どちらも似たり寄ったりというところだろうが、やはり非難されている方がかわいく見えるというもの。やはり「女が嫌いなオンナ」というのには「でも男は好き」と繋がるのだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

『やっぱり、君が好き ~第2章・卒業~ 18歳・微乳レズビアン 麻倉憂&篠めぐみ』

 
女の子は仲良しが一番ですっ!

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up