変革の時代を迎えたテレビバラエティー界を引っ張る中堅芸人は誰?

baraoogosho1228.jpg※イメージ画像:左から『談志の落語 五』『GOLDEN☆BEST 坂上二郎』、引退会見時の島田紳助氏より

 今なお年間平均視聴率で20%を越えるというお化け番組『笑点』(日本テレビ系)を創り上げた立川談志が没し、70年代不動の人気を誇った視聴率100%男こと萩本欽一を支え続けた坂上二郎が去り、『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)などの番組を手がけ80年代のフジテレビ黄金期を演出した横澤彪が死去した2011年。テレビの黎明期を知る人々の死は、間違いなく出演者や制作スタッフの世代交代を告げるものだ。そしてそれを象徴するかのように今夏突如引退を発表した島田紳助。今まさにテレビバラエティーは変革の時代を迎えようとしている。大御所健在の声も強い中、次にテレビバラエティー界を引っ張る中堅芸人は誰なのだろうか。

「知名度や人気はあるけど、まだ単独での冠レギュラー番組を持てないという中堅どころの芸人にとって、一番大切なのは戦友とも呼べるような深い関係性を持ったスタッフではないでしょうか。そういった相手がいるといないとでは、今後の活躍に大きな差が出てきますからね。すでにある程度の知名度を得ているということは、これまで多くのテレビに出てきたということですから、その中で同世代のスタッフと共に成長していこうという仲になることが大事だと思います。そうすれば、必然的に制作サイドから声がかかることも多くなるでしょうし、またその芸人が売れるほど制作者の株も上がるわけですから。相乗効果ってやつです」(番組制作会社関係者)

 また別の業界関係者はこんなことを言う。

「とんねるずなんてまさに制作スタッフと共に成長してきた芸人の代表といえるでしょう。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)のスタッフは番組立ち上げ当初からほとんど変わっていないと聞きますし、そんな彼らの間には、お互いが成長することによって支えあっているという印象を受けます。今後、たとえ今の番組が終わることになっても、とんねるずが新番組をやることになれば、同じスタッフで臨むでしょうし、制作サイドは新番組の企画案にとんねるずを抜擢するでしょう。彼らが同時期に局から愛想を付かされるというのは、よっぽどのことがないとありあえませんからね。つまり、スタッフと共に成長した芸人は安泰ということです」(業界関係者)

 ある程度売れている芸人にとって、今後の飛躍には番組スタッフとの関係性が大切だと指摘する両関係者。そしてそれは制作サイドにも同じことがいえるという。芸人とスタッフ、お互いがお互いを引っ張り合う関係性の構築は、一寸先は闇といわれる芸能界を確実に生き残るために彼らの生み出した出世術なのだろう。では、いったい今の中堅芸人でそうしたスタッフとの深い絆を結んでいるのは誰なのだろうか。

「やはりそれは、おぎやはぎではないでしょうか。特に矢作はスタッフからの人望が厚いと聞きます。彼の周りには自然と人が集まるようですし、画面からも伝わってくる彼独特の愛嬌がありますからね。多くのスタッフが彼を慕っているようです。ただ、難点をいえば、彼の人柄に魅せられている人々が、だいぶ年上ではないかという点です。もし彼が目上のスタッフとばかり付き合っているとしたら、相乗効果というものが生まれにくいですからね。可愛がられるというのは大変な才能ですが、戦友というべきスタッフがいないと、いずれスタッフサイドの世代交代が本格化したときに痛い目をみる可能性がありますよ。まあ、そうは言っても、今彼らがレギュラー出演している『ゴッドタン』(テレビ東京系)などのスタッフ陣を見る限り心配はなさそうです」(前出)

 関西出身の芸人にとって、全国的な知名度を得ることと同じように難しいのが在京スタッフとの関係性の構築だというのはよく聞く話だ。おぎやはぎにとってみれば、そういった障害は無いに等しいといえる。そしてそれは大きなアドバンテージに違いない。彼らが大きく飛躍するのも時間の問題といえるだろう。

 会社員時代、抜群の営業成績を誇ったというおぎやはぎ・矢作。彼のコミュニケーション能力の高さは、2ちゃんねるなどでも話題になるほど卓越したものといえる。そんな彼にとって、スタッフとの関係性の構築など、わざわざ考えなくても自然とできていることなのかもしれない。そして、そんなおぎやはぎと深い絆を持ったスタッフが社内でそれぞれ地位を高めれば、それだけ彼らにもチャンスが巡ってくるというわけだ。コンビ結成17年目を迎える2012年、そろそろ彼らと共に歩んできたスタッフの発言力も強まっているはず。おぎやはぎによるゴールデン冠番組というのも近いだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

『地味ですが何か?』

 
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