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「支援は長期戦。漫画の本気、見せます。」豪華作家陣が無償で参加するチャリティー漫画アプリ『僕らの漫画』


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※画像は東日本大震災チャリティーコミック 『僕らの漫画』HPより

 8月30日に発売されたiPhone/iPad用アプリ『僕らの漫画』をご存じだろうか。"東日本大震災復興支援チャリティーコミック"と銘打たれているように、その収益は必要経費を除いて全額寄付される。第1弾として8つの作品が掲載されているのだが、今後第2弾、第3弾の更新を控えており、最初の購入価格600円だけでそのままアップデートして読むことができる。

 そんな『僕らの漫画』は、その性質上広告費などは当然使うことができないのだが、先日製作委員会のTwitterアカウントから、こんなツイートが発信された。

「『僕らの漫画』はツイッターだけでコツコツと宣伝しております。予算がないんです。面白いと思ってくれた方、興味を持ってくださった皆様の口コミが頼りでございます。『募金になるから』もありますが、読んでみて『コレは面白い!』と思ったら、ぜひぜひお友達にすすめてあげてくださいね!」

 これは是非、メンズサイゾーも宣伝のお手伝いをしなければなるまい、と考え、Twitterアカウントの中の人である(H)氏にインタビューさせていただく運びとなった。

──『僕らの漫画』第1弾、拝読いたしました。非常に読み応えのある内容でした。

H:ありがとうございます。

──このアプリの成り立ちは、Hさんが思い立ち、お知り合いに声をかけた、という認識でよろしいのでしょうか?

H:私が一人思い立った、というのは違いますね。 震災翌日、自分を含めTwitter上で漫画で何かできないか、という声を同時多発的に見かけたので、具体的に何ができるか分からないが、とりあえず一緒に漫画で何かやろう、とTwitterで声をかけ合い集まったのが最初です。4、5人ですね。参加している編集者i氏を巻き込んだのは自分です。
 言い出しっぺとして、具体的なコンセプトを定めていったのはそのあとですね。しかし、思い出そうとすると記憶がぼやけている部分もあるのですが、思えばもう半年もたってるんですよね。早かったです。

──現状のチャリティー同人誌という形態に固まるまでは、比較的早かったのでしょうか?

H:当時のメールを掘ってみたところ、私と編集i氏とで現状のコンセプトをまとめた企画書を作り終えたたのが3月15日のことでした。震災翌日からTwitterのDMも含めて20通ほどメールのやりとりをして、お互いに加筆修正する形で作りました。出来としては80%くらいですが、「イラスト集ではない、ちゃんとした本を作ろう」というのはこのときに決まりました。
 その企画書を、参加してもよいと名乗り出てくださっていた方たちに送って、改めてご賛同いただけるかを確認しました。それぞれが知り合いに声をかけあって、参加していただける方が5、6名になってなんとかめどが立ったので、そこから本格的に実現に向けて動き出した感じです。3月22日に、他の漫画家さん1名と3人で打ち合わせをしまして、意見の交換をして現状のコンセプトに固まりました。

──当初からiPhone/iPadアプリで発売するつもりだったのですか?

H:最初は漠然と「本を作ろう」と言っていました。しかし、実際のところ書籍は利益計算がややこしくコストもかかる。版元も探さないといけません。同人誌も、物理的な手間と初期費用が必要です。そこで、電子書籍(広義でアプリ含む)というアイデアが出ました。iPhone/iPadアプリというアイデアは、小学館さんの編集者であるi氏の案ですね。
i氏が色々と動いてくれてた結果、小学館さんにアプリ制作費を負担していただけることになり、デジタルカタパルトさんも実費(アプリ制作費)以外は無償でご協力いただけることになったので、まずはそれに乗ろうという話にまとまりました。そして、沢山の漫画家さんに参加していただくことを考えたときに、本としてまとめるまでにはどうしても時間がかかるので、アプリを第1弾、第2弾──と区切って発表していくという形態になりました。

──第1弾を購入しておけば、無料でアップデートできるというシステムは非常に斬新だと感じました。紙での出版もお考えのようですが、時期や形態などは固まっているのでしょうか?

H:画期的でしたかね。偶然というか、コストをできるだけ抑えようとしたら、結果としてこの形になったという感じです。あんまり高いと売れないんじゃないかとか。紙の本──まず同人誌の時期としては、iPhone/iPadアプリの第3弾用原稿の製版作業が済んでからとなりますので、形になるのは早くて来年の春頃でしょうか。それまでに、電子書籍ポータルサイトから、PCでも読める形式で販売を予定しています。そちらの方は、アプリ第1弾で1パッケージ、第2、3弾分をまとめて1パッケージにする予定です。
書籍化は当初から目標として進めてきましたが、アプリや電子書籍の販売数や話題性によって実現の可能性が高まる、という感じですね。 いま、けっこう高まっていると思うのですが、しかし募金に回せる利益計算がややこしくてゴニョゴニョしており、難しい検討が続いております。

──確かに、最低限の部数が確保できないと、損益分岐点を超えればあとは全て募金できるアプリのようにはいきませんからね。公式ブログに「支援は長期戦」とありますが、今後また600円で第4、5、6弾が読めるといった、定期刊行は視野に入れておられるのでしょうか?

H:第4弾以降に関しては、現状予定はありません。検討にもあがっていなかったです。販売自体はできるだけ長く続けていくつもりでいます。個人的にも、本分である自分の連載の方に支障をきたしかねないくらいの忙しさもあり、これはこれで当初立てた志の通り最後までやり遂げて、また自分の漫画に専念したいですね。

──なるほど。一読者としては残念ですが、本業に支障をきたしては、単に募金することすらままならなくなってしまいますからね。

H:お金を受け取る方としても、倒れるほど頑張らなくても、と思われるでしょうし。ということで、やはり基本的には漫画を描くことを頑張って読者を喜ばせたいです。

──アプリ発売後、Twitterの窓口も担当されているHさんのもとには、賞賛の声だけではなく、それこそ本業で頑張ってその分寄付をすればいいのでは、といった否定的な意見が届いたこともあったかと思うのですが、今の率直な胸の内をお聞かせ願えますでしょうか。

H:今回の震災と原発事故は、おそらく多くの漫画家たちにとって、自身の表現活動とは、仕事とは何か、ということを問いただすものだったと思うんです。自分も、まず人として手助けをしたい、お金を送りたいのは当然として、加えてプロ漫画家として、自分の仕事で人の役にたちたい、たたなければいけないと職業に対する使命感のようなものがわき上がりました。
 一方で、それぞれの漫画家さんがそれぞれの作品を連載されている最中だったと思いますが、自分も連載を持つ者として、その内容がいま描くべきものとしてふさわしいのか、という葛藤もありました。参加されている漫画家さんのモチベーションは人ぞれぞれだと思うのですが、自分が「新しく漫画を描き、それを売って、役に立ちたい」と思った動機はそういったものが混ざり合った中で生まれたものですね。誰もが感情的になっていた時期だったので、当初はそういった否定的な意見もありますし、また自分自身でもそう思っている部分もあるので葛藤もありましたが、普段の仕事のクオリティーを下げなければ誰も文句は言いませんから、やってのけてみせるぞ、と、そんな感じです。

──最後に、まだ多くの作品が後に控えている状況ですが、現時点でHさんが特に気に入っている作品があれば教えてください。

H:私はまだアプリ第1弾分しか拝見していませんが、基本的には全部ですね。自分が携わったからという思い入れは抜きにしても、漫画家さんそれぞれの真摯な想いが、絵から、話から、そしてそれぞれの作風というかその人らしさあふれるスタイルから、伝わってきたからです。心からここまで頑張ってきてよかった、と思いました。『僕らの漫画』発足当初、「祈り」とか「希望」とか統一テーマを設けてはどうかなんて案もあったんですが、逆にプレッシャーになるし、漫画らしくないからナシにしようと。その判断は正しかった。むしろ、そんなものはなくてもしっかりと前を向いた熱い作品が集まったことが感動的でした。自分の作品は、連載を2つ抱えている最中でして、あの時点で描けた精一杯のクオリティーだったんですが、せっかくなので編集者を困らせるくらいギリギリまで粘って描き込んでもよかったかな、と今さら少し後悔しています。いやまぁ冗談半分ですけどね(笑)。
それぞれの作品が高評価を受けた中で、とり・みき先生の「Mighty TOPIO」がTwitter上で「泣ける」と特に話題になりましたが、この時期にあの短編を世に送り出せたのは、うまく言葉にできませんが、とにかく『僕らの漫画』はすごいことをしたんじゃないか、と思っています。私も救われました。

──ありがとうございました。 


H氏の発言にもあるように、『僕らの漫画』は、公式ブログのヘッダーにある「本気で読み応えのある読切を描き下ろします」という言葉に偽りなく、単純に面白い作品が載った「読切オンリーの漫画雑誌」であり、募金に関係なく漫画好きにはお薦めできる内容となっている。

 参加作家や募金先などは、下記の公式ブログに詳しくアナウンスされているので、そちらをご参照いただきたい。また、現在発売中の『ビッグコミックスピリッツ』42号に、『僕らの漫画』のPRページと、アプリ第1弾に掲載されている手原和憲氏の『YNWA』が掲載されているので、購入を迷われている向きは、まずはそちらを手にとってみてはいかがだろうか。

■
東日本大震災チャリティーコミック 『僕らの漫画』
http://charicomi.blogspot.com/
■『僕らの漫画』制作委員会Twitterアカウント
http://twitter.com/charicomi
『僕らの漫画』購入方法
(1)パソコンからのご購入
「iTunes」→「iTunes Store」→「僕らの漫画」を検索、購入ページへ
(2)iPhone/iPadからのご購入
「App Store」アプリ→「僕らの漫画」を検索、購入ページへ

『震災に負けるな!東日本project -東日本大震災復興支援チャリティー同人誌-』

負けるな!

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