紳助VSとんねるず石橋 西のドンと東の暴君の違い!?

 暴力団関係者との黒い交際を理由に、島田紳助が芸能界から引退して2週間以上。あまりにも突然だった超大物タレントの幕引きは、業界内に限らず各方面で話題を集めた。しかし、本人が担当していた番組はというと、打ち切りか継続かで右往左往しながら、そのほとんどが代替MCを立てての継続、という方向に落ち着きを見せている。そんな現状に、ある制作会社の関係者は、「吉本の力がここまで大きいとは思わなかった」と言いながら「今後のとんねるずに期待している」と漏らす。

「『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)は東野幸治さんが務め、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)は今田耕司さん(20日以降未定)、『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)は出演陣が週替わりでMCを担当するという具合で、紳助さんの後釜には、ほぼ吉本の芸人が据えられているのが現状です。局側はあくまでも暫定的な処置と言っていますが、ここまで露骨に吉本芸人を使うとはちょっと驚きです。もちろん層の厚さで言ったら吉本の右に出る事務所はありませんから、自然なことなのかもしれませんが、それにしてもあからさまですよね。改めて吉本の力の大きさを思い知りました」(制作会社関係者)

 在京制作会社に勤務するこの関係者は、紳助引退を機に吉本一辺倒のテレビバラエティー界が少しでも変わってくれればと願う。

「吉本が東京に本格進出してから10年あまりがたちますが、ここ5年くらいでテレビバラエティーは本当に変わりました。端的に言うと、吉本のタレントありきで番組が作られていくということです。極端なことを言えば、まず吉本芸人の誰を使うかを決めて、それから番組を作っていくということです。そんな方法で本当に面白い番組が作れるかどうか疑問ですよね。本末転倒じゃないですか」(前出)

 そしてこの関係者は非吉本勢の急先鋒として「とんねるず」の名前を挙げる。

「そんな中、とんねるずには期待しています。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)を見てもらえば分かると思いますが、彼らの番組に出演するのはほとんど東京の事務所に所属している芸人ですからね。彼らによって引っ張り上げられた芸人たちが、それぞれさらに注目されると、吉本ありきのテレビバラエティーも変わってくるのではないでしょうか」(前出)

 確かにとんねるずの番組には、おぎやはぎや有吉弘行のように、在京事務所所属の芸人が多く出演している。しかし、そのことは紳助に対する批判(ファミリー形成のような)と同じではないか。

「自分と仲の良いタレントを使うという意味では同じでしょうね。ただ、紳助さんの場合、自分の思い通りにならないタレントは使いません。理由はいろいろあるでしょうけど、自分の思い描いた通りに事が運ばないと気が済まないタイプと言われてますからね。自分に意見してくるようなタレントは扱いづらいのでしょう。逆にとんねるずの場合、自分たちに食ってかかってくるようなタイプの若手を好んでいるようです。これはきっと自分たちの若いころがそうだったからでしょうね。特に、彼らと懇意にしている吉本芸人を見ると分かりますが、河本準一さんなどは石橋さんに対して「ジジイ」と言うほどの強硬な姿勢を見せます。また、すでに引退した、極楽とんぼの山本圭一さんの石橋さんに対しての強気な態度は有名です。しかし石橋さんはそういった後輩芸人を公私共に可愛がります。逆におべっかタイプは苦手のようです。テレビでは木梨さんの人の良さが目立ちますが、業界内での石橋さんの評判はかなりいいですよ」(前出)

 島田紳助と石橋貴明。テレビに映る彼らは、共に子飼いのタレントをうまく利用し、笑いを取るタイプと言える。しかし内実を知る者にとってみれば、彼らの印象はまったく違うものらしい。にわかに業界内で期待が高まっているというとんねるず。来春あたり、1998年以来となるレギュラー番組が始まるかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

『とんねるずのみなさんのおかげでした 博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権 vol.6』

 
360°モンキーズが好きでした

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up