真のオナニストが最後に行き着く「チクニー」とは!?

 嘘か真か分からないが、「富裕層は、最終的にSMに行き着く人が多い」という説がある。財布に余裕があることから、様々な遊びをひと通り経験し、やがてノーマルなプレイでは飽き足らなくなり、SMというディープな世界に嵌っていくという道筋らしい。「飽きるほどやり尽くしたとは羨ましい!」と、富裕層を妬ましく思う人もいるかもしれないが、一般人にも「ノーマルに飽きてきた」という人が存在する。とはいえ、懐事情にゆとりがあるわけではないので、金のかかる風俗通いは残念ながら難しい。一般人の性欲処理といったら、やはりなんといっても「オナニー」ということになる。そのオナニーにおいて、「やり尽くした」と感じている人も存在するのだ。

 オナニーといったら、右手なりオナホールなり、手段は異なれど、ペニスを刺激するという人が圧倒的多数だろう。しかし、「ペニスでの快感に飽きてきた」との理由から、新たなるオナニー道を歩む者もいる。代表的なのが、男性のみに存在する器官・前立腺をマッサージするケース。「アナニー」という言葉もだいぶ浸透してきた。アナニーとは、言うまでもなくアナルオナニーの略である。ひと昔前までアナル刺激は、ゲイ男性のみが楽しむ特別なもの、というイメージだったかもしれないが、いま現在は一般男性の中にもアナニー愛好家は増えつつある。ペニスでのオーガズムは全く異なる、女性のオーガズムに近い感覚を得られるらしいという見方もあり、今後もアナニーには注目し続けていきたいところである。

 しかし、アナニーにも飽きた、という生粋のオナニストはどうしたらいいのか? 再びペニス刺激に戻るという原点回帰派もいるが、さらなる発展を遂げた者も少なからず存在する。彼らが行き着いたオナニー法こそが「チクニー」である。チクニーとは、ちくわオナニーのことではない。乳首オナニーの略である。乳首は女性の性感帯、という印象が強いが、男性にとっても、もちろん感じる部位のひとつ。女性との性行為の際、乳首を不意打ちで責められ、最初はくすぐったいと思っていたものの、次第に性感帯として開発されてきたという人もいるだろう。しかし、それはあくまでも前戯の一環。対して、真のチクニー愛好家は、サブ的な要素として乳首を刺激するのではなく、乳首をメインとしたオナニーを行なうとのこと。当然、乳首で射精にも達する。つまり、乳首がペニスの役割を担っていることになる。

 乳首で射精に達するとは、ペニスオナニー派の人にとっては、にわかには信じがたいだろう。しかし、驚くのはまだ早い。愛好家たちは、チクニーによって「気持ちの面も変化してきた」というのだ。女性のように、優しく大らかな性格になってきたとのことだが、チクニーによって女性ホルモンが刺激されつつあるのだろうか。他にも「濃くて悩んでいたヒゲが薄くなってきた気がする」「乳首の色ツヤが良くなったっぽい」「頭髪の抜け毛が減ったかも」など、チクニーは良いことづくしのよう。科学的な根拠があるとはいえないが、試しに乳首をいじってみる価値は充分にありそうだ。

 むろん、良いことばかりではない。チクニーによって、乳首が大きくなってきた気がするという声もあれば、シャツが擦れただけで感じてしまうのが悩みの種、という男性も存在する。乳首でオーガズムを得ていると聞くと、もはや神の領域か? と敬遠してしまいがちだが、チクニー男性にも苦悩はあるようだ。

 しかし、どのようなオナニーにも、いやオナニーに限らず、どのような物事にもメリットもあればデメリットも存在する。乳首の肥大化や、シャツが擦れた際の刺激など、チクニーがもたらす多大なるメリットに比べたら、たいした問題ではないだろう。ペニスオナニーやアナニーに飽きてきたという男性は、チクニーの導入も検討してみては如何だろうか。
(文=菊池 美佳子)

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