早漏VS遅漏……女性陣からの軍配があがるのはどっち?

 男性の性的な悩み・コンプレックスで、最も多いのは”サイズの問題”だろう。公言こそせずとも、ひとり定規をペニスにあてがい、果たして自分自身のサイズはいかほどのものだろうか……と計測した経験をお持ちの男性は多いと思う。余談だが、女性の場合は、定規を陰核にあてがい、「私のクリは……」と計測した経験があるという人はほとんどいない。話を男性器に戻そう。日本人男性の平均チン長は、資料によって若干差はあるが、12センチ台(勃起時)というのが一般的のようだ。しかし、サイズに関する悩みは近年減りつつある。「大きい男性器こそが男性の象徴である!」というデカチン至上主義が影を潜め、むしろ「デカけりゃイイってものではない!」という女性側の声が明るみに出てきたことが影響しているのだろう。

 一応、サイズ問題は解決したとして、次に挙げられる悩みは”早漏”ではないだろうか。男性誌などの広告欄を見ていると、早漏を改善するサプリメントであるとかトレーニング教本などの類が、これでもかとばかりに掲載されてあり、世の男性陣が、いかに早漏を気にしているかということが伝わってくる。

 ところで早漏とは、いったい何分(もしくは何秒)で果ててしまう男性のことなのだろうか。パッと思いつくのが”三擦り半”という言葉。これは”挿入後3往復半で射精してしまうほど早い”という究極の早漏を表した造語である。しかし実際には、何往復だとか、ピストン何回ぶんだとかいうはっきりとした基準はなく、射精のタイミングが自分の意思よりも早い場合を早漏というようだ。

 セックスの際、挿入と同時に時計をチラ見し、射精までの分数(もしくは秒数)を正確にチェックしている男性はさすがに少ないだろうが、それでもやはり、自分が早漏か否かということはなんとなく自覚しているものだろう。そして、自身が早漏であるということを認識している人は、それに対する何らかの処置をとろうとする。一般的なのが、セックスに至る前に自己申告する手法。もちろん、深刻な表情で告白しても女性が引くということはわかりきっているので、「いやー、俺って早いんだよね」と冗談っぽく提示して、いざ本番という時にがっかりさせないようにと気を配る男性は多い。次に多いのが、挿入後すぐに告白するパターン。「最近ヌイていなかったからすぐイッちゃいそうだよ」など、嘘であれ本当であれ事情を説明することで、女性の理解を得ようというやり方だ。

 しかし、男性が気にしているほど、早漏は女性にとってマイナスイメージではない。むしろ、「アタシの締まりが良いってことかしら」と、好印象を持つ女性がほとんど。そして、女性のウケが良くないのは、実は遅漏のほうだったりする。遅漏とは、説明するまでもなく早漏の反対語で、射精に至るまでの時間が過度に遅い人のこと。早漏の男性は「羨ましい!」と思うかもしれないが、女性からは、「アタシの締まりが悪いってことかしら?」「あまりにも長時間に及ぶと痛い」という声が圧倒的多数である。中には、彼氏が遅漏のためか、長時間のピストン運動で出血したことがあるという女性もいた。「本当に痛いのに、彼氏は自身の遅漏を自覚していないため、言うに言えない」のだそう。他にも、「飲酒後のセックスというわけでもないのに、何時間経ってもいっこうにイカない男性にあたると、もしやアタシの鼻の穴から、鼻毛でも出ているのではないか?」と、気が散ってセックスどころではなかったという女性も。もちろん、「ペニスによる快感時間が続くほうが良いので、遅漏は大歓迎である」という女性も存在するので、遅漏男性はどうか気を落とさないで頂きたい。

 いずれにせよ、早漏も遅漏も、気にしすぎると、逆にプレッシャーになってしまう可能性がある。包茎が原因だの、床オナニーが原因だの、様々な仮説に惑わされず、「下半身は別人格だから、コントロールしにくいのさ」と、大らかに構えたいものだ。
(文=菊池 美佳子)

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