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◆さすらいの傍聴人が見た【女のY字路】 特別編7

通り魔、犯罪、殺害予告etc 業務妨害罪で起訴される被告人の共通点


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※イメージ画像 photo by blandoanthony from flickr

 2月11日、東京・新宿駅での通り魔予告をした男子中学生(15)が逮捕された。中学生はネット掲示板に「2月11日午後9時ピッタリに新宿駅(新南口だったハイウェイバス入り口)で3人組で通り魔を起こす。死にたくない人はゲームに参加しないことだな!!」などと書き込み、ネットを中心として大きな騒ぎとなった。その結果、バス会社の営業を妨害した「威力業務妨害罪」での逮捕となった。この話はこれで終わらず、中学生の兄(19)までも逮捕された。兄は同月17日、新宿駅でカッターを振り回した後、千駄ヶ谷の交番を訪れカッターを机に投げ出し「通り魔をしてきた」と話したという。兄の持っていたカッターナイフは刃渡り7.5センチ。ちなみに刃の長さ5.5センチ以上は銃刀法違反となるため、同罪での逮捕となった。実際に新宿駅でカッターを振り回す男の姿が目撃はされていたが、幸いなことに被害者はいなかったという。「弟が通り魔を起こせなかったので兄として復讐したかったのではないか」とは捜査関係者の話だが、そんなもの、ただひたすら迷惑でしかない。

 殺害予告や犯罪予告は脅迫罪に問われる類のものだが、実際のところは、予告によって捜査機関や企業などの業務を妨害したとして、業務妨害罪で逮捕起訴されるのが普通だ。内容によって偽計業務妨害、威力業務妨害などに分かれるが、刑法ではいずれの業務妨害でも「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処される。この業務妨害罪、08年に発生した秋葉原連続殺傷事件の直後は便乗犯により増加を見せていた。

 さほど多く傍聴しているわけではないが、この業務妨害罪で起訴される被告人には、やはり共通点がある。定職についていないことが多く、そしていわゆる内弁慶だ。逮捕までは大きなことを言って特定または不特定の者を畏怖させるが、公判での態度は小さくまとまっている。また保釈中や、判決が出た後も、人によってはネットで意見を発信し続ける者もいる。自分がニュースになることに非常に敏感で、それに対してまたネットでコメントすることもある。

「湾岸署に時限発火装置を仕掛けた。高相法子を釈放しなければ火の海にする」こんなメールを1カ月強、各報道機関だけでなく警察にまでメールを送り続けて逮捕されたA(当時44)。のりピーがかつて覚せい剤取締法違反で逮捕され、湾岸署に拘留されている際、このような行為を続けていたという。「マスコミを煽り、慌てた警察が法子を釈放すればいいと思った」と、あり得ないことを泣きながら述べていた。

 ある評論家の論説を読んで激怒し、ネット上に「灯油をぶちまき、火をつければあっさり終了」などなど、講演予定の会場に対しての攻撃を臭わせる書き込みをしたとして逮捕されたB(当時45)。最終陳述では反省もそこそこに、やはり怒りの発端となった論説についての反論が続いた。

 日払い派遣で働き始めた1日目、派遣先からその日に給料が支払われないことに立腹し、その会社を放火するという嘘の110番通報をしたとして逮捕起訴されたC(当時25)。なんとこれが初めてではなく、中学のときも「父親を殺した」など嘘の通報をしたことがあるという。

 対象の相手に自分の意見をぶつけるのではなく、まわりくどいことも共通している。人対人のコミュニケーションが、ネット社会になり形を変えつつあることが原因のひとつでもあるだろう。

 なんだかんだ、加害者らは軽い気分で犯罪予告をしてしまうのだろうし、法廷では反省ぶりもあまり伺えないが、妨害された企業や団体から損害賠償請求を起こされることもある。彼らが本当に後悔するのは、そのときだろう。
(文=高橋ユキ)

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
裁判所で出会った面々と、女だけの傍聴グループ「霞っ子クラブ」を結成し、ブログ「霞っ子クラブの裁判傍聴記」を開設(現在は閉鎖)。書籍は『霞っ子クラブ~娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)ほか、『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社新書)など。好きな食べ物は氷。

『「ケータイ時代」を生きるきみへ』


ネットでの発言は注意が必要。

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