今年1月に急性すい炎で芸能活動の一時休養を発表したチュートリアルの福田充徳。2月24日、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で復帰を果たしたが、病気により激ヤセした姿は痛々しいものだった。しかしそれ以上に痛いのは、現在レギュラー番組を7本も抱える売れっ子芸人であるにもかかわらず、休業中も福田の不在がまったく気にならなかったということである。
「人気番組『しゃべくり007』(日本テレビ系)でも、福田さんの不在が収録に支障をきたすようなことはなかったようです。そもそも番組のトーク中、相方の徳井さんをはじめ他のメンバー(くりぃむしちゅー、ネプチューン)が次々とボケを重ねていく中で、福田さんだけそのボケが放送されなかったなんてことはよくありましたから」(バラエティ番組・放送作家)
さらに同日深夜に放送されたチュートリアルの2人がMCを務める『妻と罰』(TBS系)でも福田の不在は問題視されていないという。
「『妻と罰』では、他にも多数芸人さんが出演しているので、誰が福田さんのポジションかは明確ではありませんが、座位置からすると若手コンビ・ハライチの澤部さんのようでした。澤部さんはトークの回しもできるということをアピールしたかったのでしょうが、そもそも福田さん自体がそのような役割を求められていないので、番組は普段どおり徳井さん中心で進行してました」(前出)
MCでありながらその役目を求められていないというチュートリアルの福田。そういえばチュートリアルの2人が特集された2007年12月放送の『情熱大陸』(TBS系)で、福田は自分のことを「芸能界1の凡人」と称していた。自分が売れているのは相方のおかげ、という主旨の発言である。いわば福田はチュートリアルの「じゃない方芸人」であり、それを自認しているというわけだ。
そんな「じゃない方芸人」――、思い浮かべるだけでも数は多い。たとえば、ロンドンブーツ1号2号の田村亮などもそんな1人だろう。彼は相方の田村淳に「担当は笑顔」と言われている始末だ。他にもコンビ間格差のある例として、NHKのドキュメンタリー番組で司会をこなし、CMにも多数起用されているDonDokoDonの山口智充とその相方・平畠啓が挙げられるだろうし、ドランクドラゴンの鈴木拓やジャリズムの山下しげのりもその例だろう。
しかし一方で、かつて「じゃない方」と揶揄されながら、近頃ではその才能が認められ広く活躍している元「じゃない方」芸人も存在する。以前オードリーと言えばその独特なキャラクターからボケの春日俊彰がコンビの顔だったが、今では『コレってアリですか?』(日本テレビ系)などのコント番組で脚光を浴びた若林正恭がその演技力やトーク力の高さで、オードリーの顔となりつつある。また、ヤホー漫才でブレイクしたナイツも当初こそボケの塙宣之が前面に出ていたが、番組内のフリートークで力を発揮するのは土屋伸之だ。
流行り廃りの激しい芸能界。その中でもお笑い芸人の数は多く、当然競争も激しい。しかし前記したように、一時期「じゃない方」と言われようが、そのイメージを払拭することは可能だ。チュートリアルの福田には、いち早く体調を回復して、得意の料理やバイクネタで「じゃない方」から脱してもらいたい。必死にもがかなければコンビ間格差は広がる一方なのだから。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)
ロッチ単独ライブ 「PELO PELO PELOTTi」 [DVD]
若手もどんどん迫ってくるし