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◆さすらいの傍聴人が見た【女のY字路】 特別編5

犯罪者に魅かれるオンナたちの心理


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*イメージ画像:
『獄中結婚 異様なラブレター―前代未聞のワイセツ事件と衝撃の真相!』
著:石原伸司/恒友出版

 裁判所には、先日書いたような傍聴マニアと呼ばれる者たちだけでなく、他にも様々な傍聴人がいる。当事者とその家族、捜査関係者をはじめ、被告人や被害者の友人知人、マスコミ・芸能関係者、学生、支援者、年金暮らしの老人、失業者、企業の研修で大量におしかけるサラリーマンなどが主だ。有休取ったけどヒマだったから......とか「たまたま近所で起こった事件だから気になって」という方もいたりする。

 そんな感じで本当に色々な人が傍聴に来るのだが、現在も続いている「秋葉原17人殺傷事件」の加藤智大の公判で、ちょっと変わった傍聴人を見かけた。それは複数人or単独の若い女子だった。服装はコンサバ系やら原宿系で、我先にと傍聴席前列、それも加藤の近くに座り、加藤の供述を聞き、しきりにうなずいている。表情に乏しい加藤がたまに笑えば女子同士顔を見合わせて「笑ってるね!」的に喜び、加藤が泣けば、彼女らももらい泣きする。

「なんだあれは?」と5秒くらい考えて分かった。どうも、加藤に「萌え」ているようだ。

 あえて名付けるなら「犯罪者萌え女子」とでも言うのだろうか。殺人犯と獄中結婚したりする女性もいたりするが、このように犯罪者へのあからさまな好意を目の当たりにしたことは、なかなかの驚きだった。

 と言っても、犯罪者に魅かれる女子の存在は、さほど珍しくはないようだ。

 01年に大阪府池田市で発生した小学校無差別殺傷事件で死刑が確定した宅間守も、支援者の女性と獄中結婚している。ただ、結婚して籍を入れることで相手との面会が可能になるなど、死刑囚にとってはメリットがあるので、このケースは本当にお互い恋愛感情があったのかは定かではない。だが、女性には籍を入れてでも死刑囚を支えていこうという決心はあっただろう。

 01年から05年にかけて複数人の少女が監禁された北海道・東京連続少女監禁事件。"監禁王子"とマスコミに名付けられた男性被告人の公判でも、女性の傍聴人が多かった。他の裁判を傍聴するでもなく、監禁王子狙いで来る女子たちだ。

 また、とにかくイケメンの被告人狙いで傍聴に来ている女子や、特定の被告人と面会を重ねている女子もいる。

 他の傍聴人らと決定的に違う彼女らの特徴は、犯罪者との距離感だ。なぜか前のめりに距離を縮めようとする。文通をしていたり、面会を重ねていることも多い。

 このように「犯罪者萌え」の女子は昔から一定数、存在する。ただ、見てきた限りで言えば、アキバ加藤は特に人気が高い。法廷は被害者関係の傍聴人も多く、普通、そのような態度の傍聴人はほとんど見られない。しかし彼女らは感情を抑えきれないのか、冒頭に書いたような、あからさまな萌えを傍聴席で見せる。その萌えは裁判所内だけにとどまらず、ウェブの某掲示板でもコアな女性ファンが作ったと思われるスレッドがあったりと、根強い人気ぶりだ。

 イケメンなら、なにも被告人でなくても、探せば他にたくさんいるだろう。加藤のように寂しさをウェブにぶつけている男だって、それこそ大勢いるはずだ。なのにあえて犯罪者に萌えってしまう彼女らはやはり"犯罪を犯した"加藤であることが重要なのであって、"ウェブで寂しさを紛らわしている"だけの加藤ではダメなのだ。

 なぜか。

 犯罪者が犯罪を起こす前の孤独な境遇に共感したり、また犯罪を犯した後の孤独な境遇(勾留生活?)に共感したり、はたまた動機を勝手に推測して共感したり、"人としての一線を越えた彼"と犯罪者そのものを英雄視したりであるとか、犯罪者に何らかのシンパシーを感じての行動であることは間違いがないが、おそらくすべて「少女マンガのヒロイン気分」という一言に集約してよいのではないかと考える。

少女マンガには「かっこよくて運動もできるけど、寡黙で何を考えてるか分からないクラスメイトの彼。女子には大人気だけど、みんなに素っ気ないの。そんな彼がなぜか主人公の私と両想い(死語)になりハッピーエンド!」的な王道ストーリーがあるのだ。小さい頃からそんな少女マンガの洗礼を受けてきた女子たちには、ヒロインになりたいという無意識の願望がある。

 犯罪者の特殊な境遇、動機、気持ちを自分だけが理解できると思い込み、また犯罪者が自分だけに心を開いてくれると思い、萌えるのだ。自分は犯罪者に萌えているんだという背徳感も手伝って、その萌え度、ヒロイン気分もパワーアップ。こうなると、もう周りが何を言ってもダメだろう。忠告は恋の障害となり、さらに萌えることは間違いない。

 そういう萌えは、犯罪者を図に乗らせ、犯罪そのものを神聖化し、新しい犯罪者を生む一端を担っているような気もしたりするが......。
(文=高橋ユキ)

『図解刑務所のカラクリ』 著:坪山鉄兆


出来れば入りたくないけど......

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高橋ユキ(たかはし・ゆき)
裁判所で出会った面々と、女だけの傍聴グループ「霞っ子クラブ」を結成し、ブログ「霞っ子クラブの裁判傍聴記」を開設(現在は閉鎖)。書籍は『霞っ子クラブ~娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)ほか、『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社新書)など。好きな食べ物は氷。

◆さすらいの傍聴人が見た【女のY字路】 バックナンバー
【第1回】ホームレスを手なずけ、大家を手にかけたA子のプライドとは
【第2回】動機の見えない放火殺人
【第3回】「呪い殺すぞ」「しっしっしー」二代目騒音オバさん 隣人との土地取引トラブル
【第4回】秋葉原17人殺傷事件:被告人が涙した、女性証人の心の叫び
【第5回】SMプレイの果てに彼氏が死んでしまった元レースクィーン
【第6回】男の奴隷となり、家族を手にかけた女の半生
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<特別編>
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