国際的一発屋「t.A.T.u」は今……「t.A.T.u2」はあり得るのか!?

tatu0119_01.jpg※画像は『200km/H in the Wrong Lane』より

「ロシア出身のポップアーティスト」として、初めて世界規模で有名になったアーティストといえば、「t.A.T.u」。彗星のように現れ、そしてものすごいスピードで消えていったことでもおなじみ、「レズビアン」を公称するロシア人女性2人組である。 ロシア・東欧諸国で人気に火が付き、英国、そして日本のトップチャートを駆け上がったかと思いきや、あるときを境に、完全に「過去の遺物」と化したt.A.T.u。いったいt.A.T.uとは、何だったのだろうか。

 最初にデビューしたのは、t.A.T.uの「金髪のほう」として知られるリェーナ・カーティナで、当時は相方(「黒髪のほう」として知られる)のユーリャ・ヴォルコヴァは参加していなかった。リェーナの出発点は、意外にも、社会派の芸能活動にある。NATO軍によるユーゴ空爆を受けて、反戦を歌ったのが、リェーナのファーストシングル「ユガスラーヴィヤ」。結果は鳴かず飛ばずで、そのテコ入れとしてユーリャがユニットに参加。レズビアンを前面に出したアバンギャルド系アイドルグループとして、後に大ブレイクする「t.A.T.u」が出発した。この「t.A.T.u」という名称自体が、「彼女は彼女を愛している」という意味のロシア語から、頭文字を借用したものである。  

 2000年にロシアで、「ヤー・サシュラー・スマー(Я сошла с ума)」が大ヒットし、一躍有名に。01年の「ナス・ニェ・ダゴニャット(Нас не догонят)」も、続くヒット作となった(本邦でも、「真っ赤なゲロ」という空耳でおなじみ)。これにより、東欧・ロシア語圏における、トップアイドルの座を射止めることに成功する。 02年には英語版もリリースされ、英国をはじめとする欧米諸国でのトップチャートを軒並み制覇。と同時に、日本にも徐々に浸透し、03年には一大旋風を巻き起こすこととなる。そんな流れの中で、来日&「Mステ」ライブが決まったt.A.T.uだったが、同年6月に、生放送をボイコットするという前代未聞の大事件が発生。国内各メディアから「総叩き」に遭うこととなった。結果、同年末に行われた東京ドーム公演は、A席・S席がネット上で千円程度で出回るという不入りに。

 そんな日本市場での再ブレイクを目論んでか、Mステ騒動から3年後の06年5月には「Gomenasai」というシングルをリリースするも、嘲笑以外の何も受けることのないままに撤退。以降、完全に「過去の人」の扱いとなった。 ブーム当初よりインターネット上で多くの画像が共有されているが、欧米進出以前には、「乳首丸見え」アンド「陰部丸見え」のびしょ濡れライブも行っていた。当時の年齢が16〜17歳だったことも考えると、児童ポルノ規制真っ盛りの今からすれば、かなりキケンなことをしていたのは間違いない。

 そんな過激なパフォーマンスがウリだったt.A.T.uだが、03年に「自分たちは本当にレズビアンではない」と認めてしまったあたりから人気は急落。日本でも、前述の「Mステ騒動」以降は、完全に人気を失ってしまっていた。  あれから数年、「レズビアン」だったはずのユーリャは2児の母になり、t.A.T.uは形式的には存続しているものの、リェーナのソロ活動が中心となっている。リェーナとユーリャの確執はたびたび囁かれているようだが、もはやそんなことも、大勢の好奇心の対象とはなっていないようである。

 そんなことよりも残念なのは、リェーナとユーリャの近年の映像を見ると、可憐なロリレズ娘だったころの面影はどこへやら……。20代半ばにして早くも化粧を厚く塗りたくり、かつての透明感あふれる肌など見る影もない(昨年行われたインタビュー風景)。芸能活動を続けているリェーナのほうは、「雰囲気が変わった」という言葉の範疇にギリギリ収まるものだとしても、芸能界の一線から退いた二児の母・ユーリャの現在の姿は、当時とは似ても似つかない。ユーリャ派だった筆者にとって、これはかなりショックであった。

 妖精のような可憐さにスレンダーなボディ、それでいておっぱいボヨヨヨヨン、というのが、世界中のオトコを惹きつける、スラブ系女性の魅力である。ただし、「東欧系アイドル」の歴史を見る限り、多くの妖精たちは、20歳を境に、「ド根性ババア」へと変身してしまうのだ。その「劣化」の速度、「劣化」度の大きさは、世界の他の民族に類を見ないほどである…といっても過言ではない。これは、生活事情や気候条件が過酷な東欧・ロシア圏ならではの現象なのかもしれない。

 ちなみに、現在との比較として、筆者もファンだった、02年当時のt.A.T.uの濡れスケエロ画像を確認してみたところ…こっちはまだまだ、全然イケてしまう(余談だが、筆者が最後に買ったCDもt.A.T.uである)。

 つまるところ、t.A.T.u人気は消滅した現在でも、「10代」「レズ」「エロ」そして「東欧系」というキーワードを満たすアイドルの需要は、いまだ旺盛なのではないだろうか。そういったお色気要素以外にも、世界各国で認められたサウンドなど、今なお通用する魅力は大きい。 「t.A.T.u」という名義を使うかどうかは別として、ブレイク当時のような10代ロシアン美少女(できれば、ホンモノのレズビアンで)によるユニットが再度デビューし、かつてのような過激な露出パフォーマンスに挑戦したとしたら…。世界中で再度のブレイクを果たすことがあり得るかもしれない。
(文=タコ野パウル)

『ロシアより愛をこめて』

次は誰が来るのか?

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